ルース•ハウジングにおける乳牛の搾乳室進入順位について

概要

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1) ルース•ハウジング方式で飼養されている乳牛群36頭について50日間,朝夕2回搾乳室進入順位を観察し,待機場進入順位,体重,年令,乳量との関連をもとにして搾乳室進入順位の特色の分析を行なった.2) 各牛の搾乳室進入順位の標準偏差は上位と下位の牛において小さく,また,各順位に入った牛の個体数は上位の4頭づつの2群において少なく,先導牛集団が限られた牛で編成されていることが示された.3) 搾乳室進入順位の選択率が50%以上の牛は6頭で,すべて上位の牛であった.また,36頭中19頭の牛は同側入口から入る傾向が認められた.4) 搾乳室進入順位と体重,年令,乳量との関連は明確ではなく,上位グループを構成する牛のうち順位選択性が強い数頭は体重,年令が他の牛に比べて大きかった.5) 順位と頭数の関係,各牛の順位の選択性の結果は,搾乳室進入順位の形成がLeader-Followerの関係だけではなく,Dominance Order的な勢力関係によっても影響されていることを示しているものと考えられた.
社団法人日本畜産学会の論文