乳牛の搾乳施設内における排泄行動

概要

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ルースハウジングに飼養されている乳牛の搾乳施設内での排泄傾向を明らかにするために,第1期51頭,第2期30および25頭のホルスタイン種搾乳牛群について各15日間,朝夕搾乳時の排糞排尿を観察した。夏季に時間放牧している牛群の待機場内排泄は,朝は排糞,夕には排尿が多かった。一方,終日バーンヤード内で飼養されている牛群では,待機場,搾乳室内の排泄回数に朝夕の違いはみられなかった。1回の搾乳時に待機場と搾乳室の両方で排泄する牛の頭数は毎回観察牛の約10%に相当した。待機場内では排糞より排尿が多く,排泄回数は場内滞在時間が長いほど多くなる傾向がみられた。待機場内排尿は入場直後に多く,排糞は牛同士の干渉が多発する搾乳室進入時近くに集中していた。搾乳室内排泄は排尿より排糞が多く,搾乳室内排泄は入室直後や退室直前に集中する傾向が認められた。また,搾乳室内で濃厚飼料を給与しない方が排泄回数は少なかった。以上の結果から,乳牛の待機場内排泄には待機場内での運動状態が影響を及ぼし,搾乳室内排泄には搾乳操作や濃厚飼料採食などから生じる心理的緊張,解放感などが関与しているものと推察された。
帯広畜産大学の論文
1982-08-25