北海道十勝地方における肉牛肥育試験(第2報)

概要

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前回の短角種の肥育試験成績について再検討し,また肥育飼料費節減の方法を考究する目的で,短角種牝2頭,去勢牡1頭について,120日間の肥育試験を実施し,次の結果を得た。(1)短角種牝2頭については,1日平均増体量は前回の成績とほぼ同様で,短角種の早肥性が再認された。(2)去勢牛1頭は,試験末期の故障のため,肥育成績は良くなかったが,それでも前回の黒毛和種の成績と,ほぼ同様であった。このような若令牛の肥育方法については,今後さらに研究する必要が認められた。(3)枝肉歩留は,肥育期間が短かったため,前回の短角種の成績よりやや低かった。前回の2頭を含めて5頭,歩留は60%以下で,肉用目的のみで飼育する場合,本試験に用いた兼用型の短角種では,十分な効果をあげ得ないものと考えられる。(4)ビートパルプ・米ぬかのような廉価な飼料を多く用いることによって,飼料費の約10%前後を節減することができ,肥育収支は,3頭共かなりの収益をあげ得ることを示した。(5)当地方の冬期間の寒冷時において,比較的不完全な畜舎でも,なお有利な肥育を行ない得ることが示された。
帯広畜産大学の論文
1960-12-25