牛・豚共同放牧における行動観察

概要

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ホルスタイン種系雌牛2頭と中ヨークシャー種仔豚6頭を,30aの荳科・禾本科混播草地に共同輪換放牧して,それらの放牧時の行動を観察し,次の結果を得た。(1)1日8時間放牧,11時間放牧,24時間放牧の場合の採食状況を比較すると,牛・豚ともに1日の採食回数はほとんど変らないが,採食時間は放牧時間が長いほど長時間になった。(2)最高気温33℃の暑熱時でも,牛・豚ともに採食行動は,ほとんど変らなかった。(3)草生の悪い場合は,草生良好な場合にくらべて採食回数が少なく,採食時間が長くなった。(4)共同放牧開始後数日で,牛と豚は互に馴れ,相互間で放牧行動を妨げることはなかったが,牛と豚の同じ日の採食回数が近似する特異な傾向が見られた。また,牛・豚ともにそれぞれ集団行動をとる性質が認められ,とくに豚において著しかった。(5)1日の飲水回数は,牛よりも豚の方が多く,牛は午後の暑熱時,豚は暑熱時と朝の補助飼料給与時前後に多かった。その他,反芻,排糞,排尿,豚の根掘りなどの回数,時間について考察した。
帯広畜産大学の論文
1962-10-10