乳牛の泌乳に対する飼料粗効率について

概要

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北海道の乳牛経済検定の1,365頭の成績から,BRODYの方法によって泌乳に対する飼料の粗効率を算出した結果,および,これと各種条件との関係について考察した結果は次の通りである。(1)調査牛の平均飼料粗効率は23.81±3.79%で,その生産乳量からみて,比較的低い値を示した。(2)305日間F.C.M.生産量と飼料粗効率との相関係数は+0.757で,同じ程度の泌乳能力のものでも飼料粗効率にはかなりの変異があり,その主な原因は飼料給与量にあることが明らかになった。(3)飼料給与水準に一定の基準を設けなければ,飼料粗効率を乳牛の能力の指標として利用することは困難で,むしろ,飼料給与水準の適否を知る指標に用いることの方が実用的である。(4)産次と飼料粗効率との関係は,産次と泌乳量との関係とほぼ一致し,4,5産次において最高であった。(5)分娩月と飼料粗効率との関係も,泌乳量との関係とよく一致して,5〜8月分娩のものは一般に低かった。(6)生体重と泌乳量との相関係数は,第4,5産次の牛のみについて+0.169で,弱い相関関係が認められたが,生体重と飼料粗効率との相関係数は+0.010で,有意の相関関係が認められなかった。
帯広畜産大学の論文
1960-12-25