カーフハッチで飼育した乳用子牛の発育と行動に対する季節の影響

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カーフハッチを用いて子牛を飼育した場合,季節の違いが子牛の発育および行動にどのような影響を及ぼすかについて検討するため,ホルスタイン種雌子牛26頭を順次供試し,12週齢まで飼育した。飼料は生後5日間初乳のみとし,以後全乳を42日齢まで定量哺乳(4kg/日),人工乳は2.5kg/日(冬季3.Okg/日)を上限として給与し,乾草は長いまま自由採食させた。子牛の行動は,連続24時間の肉眼観察を行ない,冬季はタイムラプスビデオを使用した。試験期間中の外気温は8月の最高気温33℃と2月の最低気温-29℃の範囲で変動し,ハッチ内気温は外気温より常に2〜7℃高かった。7〜10月に生れた子牛12頭(A群)と11月以降生れた14頭(B群)の発育を比べると,哺乳初期において季節と増体量にやや関連は認められたが,総体的に気象環境の影響は少なく,子牛の発育,健康とも良好に推移した。離乳時までの人工乳摂取量は,B群の方が約30%多く摂取した。子牛の横臥時間は1日の約70%で,その大部分をハッチ内で過しており,冬季はハッチ外横臥時間が極めて少なく,他の季節間に差はなかった。一方,起立時間はハッチ内・ハッチ外とも1日3〜4時間で,冬季のハッチ内起立時間が幾分長くなる傾向があった。時刻別に行動パターンを見ると,冬季は起立時間が日中に長く,夜間は少なかった。さらに,日光の射す8〜14時頃までハッチ外に出る時間が長く,夜間は非常に少なくなる傾向があり,子牛は飼育季節による気象環境の違いに対し,かなり柔軟な行動的対応を示すことがうかがわれた。
帯広畜産大学の論文
1983-06-25

カーフハッチで飼育した乳用子牛の発育と行動に対する季節の影響

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