十勝地区牛乳のHPLCによる有機酸分析

概要

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十勝地区農家および本大学附属農場飼育ホルスタイン牛より採取した牛乳中の有機酸を定量した。試料乳はアセトニトリルによって除タンパク操作を行った後,強カチオン交換樹脂TSKgel SCXを用いた高速液体クロマトグラフィーにより分析を行った。溶離液には2mM燐酸を用い,流速を毎分1.0mlとした。クロマトプロフィールから定量出来た有機酸は,オロチン酸,クエン酸,乳酸,コハク酸,酢酸,尿酸であり,それぞれの平均濃度と標準偏差(μg/ml脱脂乳,十勝地区試料について)は,53.0±15.4,976±439,46.6±25.2,790±548,77.9±14.8,21.0±5.3であった。その外にピルビン酸とギ酸が確認されたが,ほとんどの試料乳で含量は僅かであった。次いで,各有機酸含量について相関をみると,オロチン酸とコハク酸(r=-0.194),オロチン酸と酢酸(r=0.200),尿酸とコハク酸(r=0.213)が5%水準で有意な相関がみられ,乳酸とオロチン酸(r=0.480),乳酸とコハク酸(r=-0.554)が1%水準で有意であった。
帯広畜産大学の論文
1987-06-30