ゲル沢過法によるウシ初乳IgGと血清IgGのタンパク分解酵素に対する感受性の比較
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概要
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同一個体のウシから得た4種のIgGを, 3種のタンパク分解酵素 (ペプシン, キモシン, パパイン) を用いて分解する際の感受性の違いを, 初乳IgGと血清IgG, さらにIgGのサブクラス (IgG 1とIgG 2) について比較した. ホルスタイン牛3頭より採取した初乳ホエーおよび血清より, 33%飽和硫酸アンモニウムによる塩析, 次いでDEAE-トヨパール, CM-トヨパールを用いたイオン交換クロマトグラフィーにより, IgG 1とIgG2をそれぞれ精製した. 各IgGと酵素とを一定の重量比になるよう混合し, 37℃ に保ち反応させ, 経時的にTSK-gel G 3000 SWを用いた高速ゲル瀕過クロマトグラフィーを行ない, その溶出ピーク高の変化から分解の程度を算出した. ペプシンとキモシンによる分解では, 一部例外もあるがIgG1の方がIgG 2よりも分解されやすかった. また, 特にIgG1において初乳由来の方が血液由来のものよりも分解されやすく, その順はIgG 1 (乳)>IgG 1 (血)>IgG 2 (血), IgG 2 (乳) であった. 一方, パパインではIgG 1 (乳)>IgG 2 (血)>IgG 1 (血)>IgG 2 (乳) の順であった.
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