人乳・血液・飲用水中の硝酸,亜硝酸およびアミン含量について(第3報)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
継続採取した農家婦人10名,非農家婦人18名の乳汁および飲用水について,硝酸・亜硝酸およびジメチルアミン含量と,人血液中の硝酸・亜硝酸および血色素量の測定を実施した。1.人乳中の硝酸と亜硝酸の合計含量は,分娩後3〜5日目には平均2.67ppmであったが,2週間後までに急激に減少し,約1/2量になった。40日目以降では0.5ppm前後にまで減少するが,60日後やや増加した。初乳中硝酸・亜硝酸含量の個体差は大きいが,日数の経過とともにその差は小さくなった。2.人乳中亜硝酸含量は,初乳で0.025ppm程度で,その後やや増加するが,60日目には初期の1/2量にまで減少した。3.人乳中ジメチルアミン含量の個体差は大きいが,75%の試料が0.1ppm以内にあり,他の一般食品に比べ低い値であった。4.人血液中の硝酸・亜硝酸含量は,分娩後3〜14日目の者についてみると,平均1.11ppmで,0.5〜1.5ppmの範囲に全体の80%が分布していた。乳汁中含量に比べその約1/2量と低かった。5.人血液中の血色素量は,分娩後の経過日数により大きく異なり,6〜8日目で正常値の者は約60%であった。6.飲用水中の硝酸・亜硝酸含量は,地下水の場合は水道水に比べはるかに高く,乳幼児に推奨されている3ppm以下のものは50%に満たず,また飲用水基準の10ppmを超えるものも約10%程度みられた。
- 帯広畜産大学の論文
- 1978-10-31
著者
関連論文
- 2次元電気泳動法によるウシホエータンパク質の不均一性について
- β-ガラクトシダーゼのトヨパールゲルへの固定化
- ウシホエータンパク質の2次元電気泳動法による分析
- ウシSIgA,IgGlの酵素消化に対する安定性の比較
- 乳房炎乳中の免疫グロブリン,ラクトフェリン,血清アルブミン濃度について
- バルククーラー貯蔵乳の細菌数の推移および菌相に関する調査
- チーズ熟成中の蛋白質分解過程に関する研究(第1報)
- ウシ初乳の免疫グロブリンに関する研究(第2報)
- 大豆およびその製品の化学成分とその利用に関する研究 : 第1報 大豆およびミールの溶解性たんぱく質の含量と消化率
- 粘質発酵乳"viili"の嗜好性について
- 粘質発酵乳"viili"の基本的性質について
- 乳・乳製品の利用に関する研究 : (第2報) スポンジケーキ・プディングの性状におよぼすスキムミルクの影響
- 乳・乳製品の利用に関する研究 : (第1報) 牛乳・スキムミルク・チーズの嗜好性とその利用に関する調査研究
- でん粉工場廃液の牧草地散布が牛乳乳質におよぼす影響ならびに廃液処理の検討
- 北海道農家の井戸水中の硝酸,亜硝酸,鉄含量について
- 牛初乳の免疫グロブリンに関する研究(第1報)
- 人乳・血液・飲用水中の硝酸,亜硝酸およびアミン含量について(第3報)
- 大学生の栄養摂取状況に関する調査 : 第1報 帯広畜産大学寮生の栄養摂取状況について
- ナチュラルチーズ,プロセスチーズおよびチーズフード中の硝酸塩・亜硝酸塩含量
- ゲル沢過法によるウシ初乳IgGと血清IgGのタンパク分解酵素に対する感受性の比較
- 日本における古代乳製品の"酥"および"醍醐"の本草網目(李著)にもとづく再現試験
- 北海道十勝地区農家の井戸水中の硝酸,亜硝酸,鉄含量について
- プロテインAとの相互作用におけるウシIgG 2のヒスチジン残基の寄与
- ウシ免疫グロブリンGのStaphylococcus aureusに対する結合能の比較
- 乳房炎乳中の各免疫グロブリンのブドウ球菌に対する凝集能の比較
- ウシ正常乳,初乳と乳房炎乳中のオロチン酸濃度について
- アフィニティークロマトグラフィーによるチーズ中の蛋白質分解酵素の分離