アフィニティークロマトグラフィーによるチーズ中の蛋白質分解酵素の分離
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概要
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チーズ中の蛋白質分解酵素を分離するために,トリプシン阻害物質である4-アミノベンズアミジンをリガンドとしたSuccinylated aminododecyl celluloseを用いたアフィニティークロマトグラフィーを行なった. 3か月熟成ゴーダチーズから抽出した粗酵素をカラム(1×25cm)に4°Cで流した結果,吸着された酵素(チーズ1g当り0.23mgの収量)のカゼイン分解に対する至適pHは8.0〜9.5,至適温度は55°C付近で,ウシトリプシンと全く同様であったが,比活性は市販トリプシンの約1/12と非常に低かった.またディスク電気泳動の結果からもウシトリプシンと若干異なる位置に主要バンドが認められたので,ウシトリプシンとは異なるタイプの酵素であると推定した.さらに,リガンドに吸着されない部分にもカゼイン分解活性がみられ,その至適pHは5.5であり,窒素量から計算すると吸着されたものの約20倍で,はるかに多かった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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