家畜用歩行計量器の計量精度を左右する要因

概要

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家畜歩行計量器の計量精度を左右する要因を明らかにすることを目的とし,ホルスタイン種を対象にして実験的検討を試みた。具体的には,牛の歩行荷重出力と歩行状態及び計量台の設置条件の関係を調べ,牛の歩行荷重変動の計量精度に及ぼす影響について解析し,計量台の適正長さについて考察を試みた。実験の結果,計量台上の牛の歩数,通過速度及び計量台と通路の段差が計量精度を左右する主な要因であることが明らかになった。牛が2歩で計量台を通過した場合,成牛と仔牛の個体測定誤差の最大値はそれぞれ-2.03%と-3.22%であったが,3歩以上の場合は-1.13%以内であり,計量精度が向上した。また計量台を通過する速度が速いほど計量精度が低下する傾向が認められた。通路と計量台の段差が無い場合,3.50mの計量台の計量誤差は,牛のサイズ及び歩行状態と関係なく,個体誤差は体重の±1.01%以内,正確度Eと精密度2σはそれぞれ±0.4kgと2.04kg以内であった。以上の結果,通路と計量台の段差を除くことによって,3.50mの計量器でも,正確さ・精密さともに実用的に十分な精度が得られることが実験的に立証された。
帯広畜産大学の論文
1991-06-30