肉豚に対する時間制限給飼の効果
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概要
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肉豚の省力管理の一方法として時間制限給飼法の可能性に着目して実験を行ない発育,飼料の経済性,産肉成績を検討した。1)8頭の供試豚を1日30分2回給与区と1日2回量制限給与区の2群に分け,それぞれ個別飼いで両区の平均体重20kgの時から90kgになるまで実験を行ない,毎回の摂食量,1週間毎の体重を測定し,屠体の検査を行なった。2)発育は時間制限区の方が早く,体重が90kgを越すまでに要した日数は91日で,量制限区よりも25日早かった。3)1日摂食量は時間制限区の方が多いけれども,試験期間中の全飼料消費量は時間制限区248.8kg,量制限区274.8kgで,量制限区の方が多かった。また,飼料要求率は時間制限区3.41,量制限区3.70で,時間制限区の方が小さかった。4)枝肉歩留は両区とも約67%でほとんど違いがない。ロース断面積は時間制限区14.7cm_2,量制限区17.3cm_2で量制限区の方が大きく,時間制限区のそれは個体差が大きかった。また,脂肪層の厚さは3部位を平均すると時間制限区3.2cm,量制限区2.7cmであった。5)今回行なった1日30分2回という時間制限給飼は,豚がそれに馴れるにしたがって摂食速度が速くなり,不断給飼の場合の摂食量に近い量の飼料を摂食したと思われる。今後,制限時間の調節を行なうことなどにより時間制限給飼の可能性を検討することは十分価値があるものと思われた。
- 帯広畜産大学の論文
- 1970-11-25
著者
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