乳牛の乳房における乳槽および乳管系のラテックス鋳型について
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概要
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乳牛の乳汁貯溜系の容積およびその構造を調べるために,乳牛の乳房の乳槽および乳管系の鋳型を作製した.鋳型の作製には,泌乳牛10頭,乾乳牛10頭および未経産牛3頭の乳房を用いた.1) 経産牛および未経産牛の乳房の乳汁貯溜系の容積や形態を調べる目的にラテックスの鋳型は有効な手段であることを示した.2) 泌乳牛において,左乳区の乳汁貯溜系の容積は,4.71±0.92l(平均値±標準偏差)で,前乳区の容量は全体の39.05%であった.一方,乾乳牛の左乳区においては,乳汁貯溜系の容積が2.85±0.96lで,前乳区の容積は,全体の37.81%となった.乳汁貯溜系の容積には,泌乳牛と乾乳牛の間に有意な差が認められた(P<0.05).3) 乳槽の形態は分岐型:45%,球型:12.5%玉子型:10%,円柱型:15%,部分分岐型:17.5%に分類された.4) 1乳区の乳管の数は,7〜24本で平均16.7±1.3本であった.乳汁貯溜系の全容積の10%以上の容積をもつ乳管を大乳管とすれば,泌乳牛の大乳管は乳汁貯溜系の全容積に対して前乳区で75.56%,後乳区では72.14%の容積を占めた.乾乳牛では前乳区で77.32%後乳区では66.02%を占めた.5) 未経産牛の前乳区の乳槽•乳管系の容積は10か月齢,20か月齢,25〜30か月齢でそれぞれ全体の44.02%,47.83%,47.32%であった.未経産牛の乳管の発達は,全体的に均一で,乳管の数は30か月齢で成牛とほぼ同じであった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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