北海道北部地方におけるオウレンの無遮光栽培について

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オウレンは古くから日本で栽培が行われているが,元来冷涼な日陰を好み,兵庫県丹波地方では日覆いを設置した畑で,また福井県・鳥取県および高知県ではおもに杉林や広葉樹林の林床を利用して栽培されている.本種の生育はきわめて緩慢であり,生育期間中の光強度の程度が生育・収量に大きく影響する.そこで,遮光により光強度を調節するわけであるが,畑栽培における日覆いの設置には多大な費用と労力を必要とし,たとえば5年栽培における日覆い資材費およびその設置に要する労賃の合計は,総経費の約15%を占めるともいわれている.一般に高緯度地方における1日当り日射量は,夏至のときを除いて,低緯度地方に比べ低いことが指摘されているが,それを利用して,本間らは名寄市において,栽培5年生株を2年間無遮光下で栽培し,遮光栽培した場合と比べ,両者の生育に差がなかったことを報告している.北海道北部地方には元来オウレンの自生はみられないが,今回著者らは,夏期冷涼でかつ1日当り日射量が低い同地方の気象的要因を考慮し,畑栽培における遮光に要する経費の節減ならびに省力化を目的として,農業経営的な見地からみた育苗期からの無遮光による畑栽培の可能性を検討し生育・収量・成分を従来の遮光栽培と比較した.
日本生薬学会の論文
1992-12-20

北海道北部地方におけるオウレンの無遮光栽培について

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