ドクニンジンに関する調査研究（第2報）コニイン及びγーコニセインの定量

概要

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1997年にドクニンジンによる中毒事故が2件発生した。そこで、ドクニンジンに関する調査研究の一環として、第1報では分布調査結果について報告した。本報では毒性成分の迅速で化学的な分析法を検討した結果を報告する。ドクニンジンにはピペリジン骨格を有する8種のアルカロイドが含有され、その主成分はコニイン及びγーコニセイン（図1）であることが報告されている。コニインの成人に対する致死量は60～120mgであり、γーコニセインはその1/8の毒性を有している。ドクニンジンの毒性のほとんどはこれら2種のアルカロイドによると言われている。従って、コニイン及びγーコニセインをドクニンジン鑑定の指標物質とすることとした。ドクニンジンからのコニイン及びγーコニセイン抽出方法として、これまでに塩基性溶液中水蒸気蒸留する方法や水で冷浸する方法などが報告されている。しかし、これらの方法は操作が煩雑であり、また、水での冷浸は抽出効率が低いと考えられた。そこで今回は、抽出効率が良く、かつ簡単な抽出方法として超音波を用いる方法を検討し、FID検出器付ガスクロマトグラフにより分析した。
北海道立衛生研究所の論文