北海道北部地域におけるシャクヤク収穫後の調製方法が生薬の品質へ及ぼす影響
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概要
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The peony root (Paeonia lactiflora Pallas) with a whitish internal root color, which is a crude drug frequently used in Kampo formulae, has been preferred in the crude drug market. However, it has been pointed out that the quality of peony roots produced in northern Hokkaido is inferior, because the internal color of the root turns dark brown and this change of internal color seems to be caused by hot-air drying during processing. In northern Hokkaido, the drying of fresh roots after harvest in autumn by natural means is impossible, because the land is usually covered with snow from November to March. Therefore, post-harvest processing methods suitable for this area were examined, and the results obtained were as follows: 1) L^* value measured by spectrophotometer in a cross-section of the root was closely related with the evaluation by the Japan Color Standard for Horticultural Plants, and the color of root having a high L^* value was shown to be more whitish. 2) Internal color of the root hardly changed, when fresh roots were dried after being stored under dark conditions at less than 20℃ for more than 22 days after harvest and then having their periderm removed. This is because enzymatic browning seems to be suppressed. L^* value of a cross-section of the dried root prepared by the methods mentioned above was much higher than that of peony roots in the market. 3) Contents of paeoniflorin, oxypaeoniflorin and gallotannin in dried roots prepared by the methods mentioned above were higher than those prepared by removing the periderm and then drying just after harvest. Contents of those components also increased, when roots were harvested in late autumn. From these findings, we concluded that peony roots having a whitish internal root color with high contents of paeoniflorin, oxypaeoniflorin and gallotannin could be produced by being stored under dark conditions at less than 20℃ for more than 22 days after harvest, then having their periderm removed and being quickly dried.
- 日本生薬学会の論文
- 2010-08-20
著者
-
林 茂樹
医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター北海道研究部
-
柴田 敏郎
医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター北海道研究部
-
姉帯 正樹
北海道立衛生研究所
-
柴田 敏郎
国立医薬品食品衛生研究所北海道薬用植物栽培試験場
-
柴田 敏郎
中部大学生物機能開発研究所:国立医薬品食品衛生研究所北海道薬用植物栽培試験場
-
林 茂樹
独立行政法人国立病院機構災害医療センター
-
柴田 敏郎
医薬基盤研 薬用植物資源研究セ
-
佐藤 正幸
北海道立衛生研究所
-
柴田 敏郎
独立行政法人医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター北海道研究部
-
林 茂樹
独立行政法人医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター北海道研究部
-
柴田 敏郎
独立行政法人医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター
-
林 茂樹
独立行政法人医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター
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