ドクニンジンに関する調査研究(第1報)札幌市及び石狩市内の分布調査
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年、山菜ブームと言われるほど山菜に興味や関心を持つ人が増加している。それに伴い知識の乏しさから有毒植物を誤食する人も少なくなく、中毒事故が毎年のように発生している。1997年には札幌市内で山菜の誤食による食中毒が2件発生した。これらはいずれも山菜のシャクとドクニンジン(共にセリ科)を誤認したことによるものであった。ドクニンジンConium maculatumはヨーロッパ原産の2年草で、温帯各地に帰化している。日本では医薬品研究用に栽培されていたものが野生化したと言われている。茎は1~2m以上にもなり、太くて中空、無毛で暗紫色の斑紋がある。葉は長さ30cmにもなり、2~3回羽状複葉で小葉は卵状皮針形で長さ1~3cm、さらに羽状深裂している。花期は7~9月で、白色の小さな花からなる大形の複散形花序を付ける。果実(分離果)は球状~広卵形で横径3.5mmである。全体に不快な臭気がある。ドクニンジンは全草に有毒アルカロイド(コニイン、γーコニセイン等)を含有している。これらアルカロイドは毒性が非常に強く、中枢神経を初め興奮、後に麻痺させ、運動神経末梢を麻痺させる。その結果、流涎(よだれ)、呼吸麻痺を起こして死に至る。コニインの成人に対する致死量は60~120mgである。道内ではドクニンジンの存在はほとんど知られておらず、その情報は少ない。そこで、誤食による中毒防止という観点から、生育域と言われている札幌市及び石狩市内での分布調査を行った。また、当所薬草園にてその生育実態を観察した。
- 北海道立衛生研究所の論文
著者
関連論文
- [マイ]瑰花中の残留有機リン系農薬の分析
- 2003〜2008年度,輸入農産加工食品中の残留農薬について
- ダイズシストセンチュウのふ化促進物質 (線虫)
- ダイズシスト線虫の孵化促進物質--無公害農薬の実現に通じる古くて新しいテ-マ(今日の話題)
- (83) カジノキ枝皮層部のファイトアレキシン生成とその抗菌スペクトル (昭和55年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- シャクヤクの試作栽培
- 北海道立衛生研究所薬用植物園内植物の開花情報
- 北海道立衛生研究所温室内植物の開花情報
- ハマボウフウ生根の低温処理による糖及び希エタノールエキス含量の変動
- 白止の調製法と化学的品質評価(第3報)ショ糖及び希エタノールエキス含量の経時変化
- 445 アスパラガス(Asparagus officinalis L.)の根の殺線虫成分(一般講演)
- シャクナゲ葉による中毒事例
- 山菜と間違えやすい有毒植物 : トリカブトを中心に(森の危険な生物たち8)
- 北海道における有毒植物による食中毒発生状況
- アイヌ民族の伝承有用植物に関する調査研究(第15報)イケマの試作栽培および若芽の栄養成分分析
- 北海道産野生植物などの抗がん活性スクリーニング試験と活性成分の単離・同定
- 北海道産木香の調製法と化学的品質評価(第2報)モッコウ根の部位及び収穫期の違いによる成分含量の変化
- 北海道産木香の調製法と化学的品質評価(第3報)粉砕の容易な木香の調製
- 芍薬中のペオニフロニン定量法の再検討
- 白〓の調製法と化学的品質評価(第5報) : 保存中におけるフロクマリンの減少
- アイヌ民族の伝承有用植物に関する調査研究(第13報)ツルニンジンおよびバアソブの試作栽培と栄養成分分析
- アイヌ民族の伝承有用植物に関する調査研究(第11報)トゥレプからのデンプン採取と加工処理
- アイヌ民族の伝承有用植物に関する調査研究(第9報)キナライタの"白いいも"
- アイヌ民族の伝承有用植物に関する調査研究(第8報)ウペウおよびイワニンジン
- 110(P-56) トリカブト属の化学的系統分類に関する研究(ポスター発表の部)
- ウイキョウの試作栽培及び茴香の化学的品質評価
- 北海道における内分泌撹乱作用を有する疑いのある農薬の使用及び残留に関する調査(第2報)
- パン中のアクリルアミドの定量
- ドクニンジンに関する調査研究(第2報)コニイン及びγーコニセインの定量
- ドクニンジンに関する調査研究(第1報)札幌市及び石狩市内の分布調査
- 柴胡の調整法と化学的品質評価--乾燥条件と希エタノールエキス及び糖含量の変動
- 川〔キュウ〕の調整法と化学的品質評価(2)湯通しの条件が品質に及ぼす影響
- 白芝の調整法と化学的品質評価(1)ショ糖及び希エタノールエキス含量の変動
- キバナオウギの生育および配糖体含量に及ぼす栽培圃場の耕起条件の影響
- 北海道産木香の調製法と化学的品質評価
- 異なる土壌で栽培したキバナオウギの生育および配糖体含量について
- 白止の調製法と化学的品質評価(第4報)保存及び乾燥条件の違いによる成分含量の変動
- 当帰の調製法と化学的品質評価(第7報)収穫時期の違いによる希エタノールエキス、糖及びデンプン含量の変化
- ナイモウオウギを基原とする北海道産黄耆の化学的品質評価
- 当帰の調製法と化学的品質評価(第6報)フロクマリンの指標物質としての可能性について
- 当帰の調製法と化学的品質評価(第5報)調製過程におけるストレス化合物の産生
- ハマボウフウ若芽の保存とストレス化合物の産生
- 89(P81) 薬用植物のストレス化合物と生薬成分(ポスター発表の部)
- P-7 国産生薬と輸入生薬の化学的な品質の比較について : 当帰、川〓、芍薬、黄耆、甘草、大黄
- キバナオウギの施肥条件が生育, 収量および黄耆の配糖体含量に及ぼす影響
- 家庭用品に使用されている化学物質に関する研究(第1報)繊維製品中の抗菌防臭加工剤の分析
- 2',6'-Dihydroxy-4'-methoxyacetophenoneとその関連化合物の抗菌活性
- 有毒植物イヌサフラン調理品中のコルヒチン残留量
- 嫌臭シンナー剤の開発研究
- 北海道北部地域におけるシャクヤク収穫後の調製方法が生薬の品質へ及ぼす影響
- 成分含量,生薬の性状および農業形質からみた薬用シャクヤク品種の育成(第1報) : 低開花率により摘花および摘蕾作業の省力が可能になる新品種について
- キバナオウギの生育および配糖体含量に及ぼす栽培圃場の耕起条件の影響
- 異なる土壌で栽培したキバナオウギの生育および配糖体含量について
- 白〓の調製法と化学的品質評価(第5報) : 保存中におけるフロクマリンの減少
- 鳥取県産ハマボウフウを基原とする浜防風の調製法と化学的品質評価
- シャクヤクの栽培・育種に関する研究(2) : 生育および成分に関する系統の比較
- シャクヤクの栽培・育種に関する研究(1) : 薬用品種「北宰相」の特性について
- キバナオウギの施肥条件が生育,収量および黄耆の配糖体含量に及ぼす影響
- 黄耆の化学的品質評価
- 生薬「蒼朮」の基原植物Atractylodes lanceaについて
- 北海道産黄耆の調製法と化学的品質評価
- 北海道産木香の調製法と化学的品質評価
- ナイモウオウギを基原とする北海道産黄耆の化学的品質評価
- 北海道産ロートコンの化学的品質評価
- 北海道北部地方におけるオウレンの無遮光栽培について
- 北海道産木香の調製法と化学的品質評価(第3報) : 粉砕の容易な木香の調製
- 北海道産当帰の調製法と化学的品質評価(第1報) : 調製条件とショ糖および希エタノールエキス含量の変動
- 北海道産浜防風の調製法とフロクマリン含量
- 有毒植物フクジュソウ調理品中のシマリン残留量