白止の調製法と化学的品質評価（第4報）保存及び乾燥条件の違いによる成分含量の変動

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最近、生薬の調製加工工程における成分の含量変化が明らかにされつつある。すなわち、セリ科の薬用植物であるハマボウフウ、トウキ、ホッカイトウキ、センキュウ及びミシマサイコの根または根茎を自然乾燥した際に観察される希エタノールエキス含量の増加は、時間の経過と共に生成するショ糖に起因していた。また、ハマボウフウ、トウキ、ホッカイトウキではその調製加工工程がストレスとなり、ストレス化合物である3種類のフロクマリン（psoralen,xanthotoxin,bergapton）が産生し、それらの含量は調製条件の違いにより大きく変動した。ハマボウフウでは、調製（乾燥）法が異なると薬理作用に影響を及ぼすことも知られている。白止はヨロイグサAngelica dahurica（セリ科）の乾燥根で、希エタノールエキス、糖、フロクマリンの含量で化学的に品質評価されている。これまでに、ヨロイグサを自然乾燥すると経時的にショ糖が生成し、それに伴って希エタノールエキス含量も増加することが明らかになっている。白止はpsoralen,xanthotoxin及びbergaptonを含有しており、ヨロイグサの生根もストレス負荷によりこれらの3化合物を産生することが認められている。従って、ヨロイグサから白止を調製する過程においてもストレス化合物の産生と蓄積が推察される。そこで今回は、ヨロイグサ生根を種々の条件で乾燥あるいは保存した後に乾燥し、それらの条件の違いがフロクマリン類、糖及び希エタノールエキス含量に及ぼす影響を検討した。
北海道立衛生研究所の論文

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