センキュウの栽培に関する研究(第2報) : 生育,収量に及ぼす施肥時期の影響
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概要
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生薬川〓は基原植物としてセンキュウ(Cnidium officinale MAKINO)のみがJP. XIIに収載され,供給はすべて国内での栽培によっており,安定した収量を得るための栽培法の確立が求められている生薬の一つである.本種は中国原産と考えられ,1600年代の長崎への渡来以後各地で栽培されてきたが,元来寒冷地型の植物のため現在北海道を中心に東北及び関東地方北部で生産されている.しかし,収量には各生産地域間及び年次により大きな差がみられの,今後生薬の安定供給をはかる上で,肥料条件はじめ生育に関係する諸要因と収量との関係を明らかにし,その地域の栽培形態に即した栽培技術の確立が必要である.著者の一人である畠山は名寄市において試作を行い,最適な苗の大きさ・定植方法・種イモの消毒方法及び同地域における最適収穫時期などについて,既に報告している.また,北海道立北見農試は同地域での栽培方法を検討し,その中で肥料条件と収量について言及し,窒素・リソ酸・カリの肥料三要素のうち窒素・カリの効果が顕著であること,年間施用量は窒素8〜12kg,リン酸5kg,カリ10kg/10aが適量であることを報告している.また施肥方法として,半量を秋の定植時に,残り半量を翌年春に追肥として施すのが良いと報告しているがその理由は明らかでなく,また追肥時期に関しても具体的な検討がなされていない.今回著者らは春から夏における施肥の影響について,1986年から1991年まで4回の圃場試験を実施し,生育及び収量に及ぼす効果,ならびにそれらの原因について,窒素・カリ含量の経時変化を含め詳細に検討したので結果を報告する.
- 日本生薬学会の論文
- 1993-03-20
著者
-
柴田 敏郎
国立衛生試験所筑波薬用植物栽培試験場
-
柴田 敏郎
国立医薬品食品衛生研究所北海道薬用植物栽培試験場
-
畠山 好雄
国立衛生試験所北海道薬用植物栽培試験場
-
柴田 敏郎
中部大学生物機能開発研究所:国立医薬品食品衛生研究所北海道薬用植物栽培試験場
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畠山 好雄
国立医薬品食品衛生研究所筑波薬用植物栽培試験場
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熊谷 健夫
独立行政法人医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター
-
熊谷 健夫
国立衛生試験所北海道薬用植物栽培試験場
-
沢井 清道
国立衛生試験所北海道薬用植物栽培試験場
-
熊谷 健雄
国立衛生試験所北海道薬用植物栽培試験場
-
沢井 清道
衛試
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