オプション価格と相場観のデータを利用したリスク回避度の推定

概要

本研究では,まず,先行研究に従いBerkowitz検定に基づいて日本におけるオプション市場価格に内在するリスク回避度を推定し,英国や米国のものと比較する.また,日本におけるオプション市場価格から推定されるリスク中立確率密度関数が実現株価をどの程度予測可能であるかについても検証する.これらの分析結果を受けて,データ解析における先行研究の問題点を指摘したうえで,新たなリスク回避度の推定手法を提案する.提案手法では,基礎データとして,金融関連業種の相場観情報と株価リターンのデータを採用のうえVARモデルを利用して,市場参加者の予想株価リターンの分布(主観PDFデータ)として適切と考えられるものを構築する.この主観PDFデータとリスク中立PDFにリスク回避度を加味して得られる主観PDFとの距離をKL情報量に基づいて計量し,これを最小化することでリスク回避度を推定する.提案手法に基づく実証分析結果からは,第一に,予測期間が5営業日と短い場合においても主観PDFデータの予測力は棄却される結果となった.第二に,オプション市場に内在するリスク回避度は長期間にわたって一定ではなく月単位でも大きく変動することなどが確認された.第三に,投資家の相場に対する予想を何らかの形で反映させてリスク回避度を推定する場合には,リスク回避度が平均すると正の値をとることがわかった.

著者

宮崎 浩一 電気通信大学システム工学科
岡本 雅生 電気通信大学システム工学科
岡本 雅生 電気通信大学電気通信学研究科
星加 裕文 電気通信大学システム工学科
佐々木 大輔 電気通信大学大学院電気通信学研究科
宮崎 浩一 電気通信大学大学院電気通信学研究科
宮崎 浩一 電気通信大学
星加 裕文 電気通信大学
佐々木 大輔 電気通信大学
岡本 雅生 電気通信大学

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