タッカー式波高計とマイクロ波式波高計の比較について
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概要
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漁業練習船長崎丸に装備されたタッカー式波高計とマイクロ波式波高計による計測波高データについて比較した。また同時にフルード波高計をビデオ撮影し両波高計データの参考に供した。結果を要約すると次の通りである。(1)うねりなどを含んだ低周波数の長波長不規則波(本実験では約7秒以上)の計測の場合は両波高計の統計的波高値はよく一致した。またタッカー式波高計の風上舷と風下舷の波高値もよく一致した。波スペクトルの比較では両波高計の卓越周波数に若干の相違があり,向い波状態時を除きタッカー式波高計が低周波数側に,マイクロ波式波高計は逆に高周波数側に卓越周波数がある。(2)一方高周波数の短波長不規則波(本実験では5秒以下)の計測の場合,両波高計の統計的波高値はタッカー式波高計の風上舷,マイクロ波式波高計およびフルード波高計データがほぼ一致していた。タッカー式波高計の風下舷データは前三者の値より小さく明らかに船体影響によるものと考えられた。またマイクロ波式波高計についても追い波状態では船体影響が認められ波高値は小さかった。波周期については共に等しい値であった。波スペクトルの比較では有義波高が等しい場合は一部を除き概ね近似していた。横波状態でのタッカー式波高計の風上舷と向い波状態でのフルード波高計の波スペクトルは他と異なっていた。風下側で計測されたデータは長波長不規則波の場合と異なり波スペクトルは小さかった。(3)したがって,原波スペクトルとしてより精度の高いデータは10秒以上の長周期波についてはタッカー式波高計,6秒以下の短周期波については追い波状態を除きマイクロ波式波高計によって得られたものと考える。
- 社団法人日本航海学会の論文
- 1987-03-25
著者
-
兼原 壽生
長崎大学水産学部
-
西ノ首 英之
長崎大学大学院生産科学研究科
-
高木 保昌
長崎大学水産学部
-
久野 俊行
長崎大学練習船長崎丸
-
兼原 寿生
長崎大学水産学部
-
久野 俊行
長崎大学水産学部
-
西ノ首 英之
長崎大学水産学部
-
矢田 殖朗
長崎大学水産学部
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