実船試験による漁船の耐航性について-VII : 東海・黄海漁場の波浪特性

概要

論文の詳細を見る
以西底曳網漁船の主漁場である東海・黄海の夏季,秋季および冬季の海況特性を明らかにした。また冬季航海で得られた77回の波高計測データから当漁場の波高および波周期特性および数値波スペクトルモデルが導かれた。1)海況特性として卓越した波向および風浪階級は夏季の場合,南〜東の1〜3,秋季の場合,北西〜北北東の2〜4および冬季の場合,北西〜北東の3〜6であった。2)有義波高と波周期との関係は有義波高2m以上の波について,T=3.29√<H_<1/3>>の式で表わされた。3)波高の平均値,最大期待値等の統計値はLonguit-Higginsの示した理論値とほぼ等しかった。4)波スペクトルはI.S.S.C.で提案したModified Pierson-Moskowitz型にほぼ近似していたが当漁場の数値波スペクトルモデルの推定実験式は次の通りである。S(ω)=0.14<H_s>^2<ω_1>^<-1>(ω/ω_1)^<-5>exp{-0.57(ω/ω_1)^<-4>}
社団法人日本航海学会の論文
1979-09-15