実船試験による漁船の耐航性について-VI : 船体運動スペクトルの予測

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実船試験によって得られた船体運動計測データからパワースペクトラムを計算し,運航者の立揚から漁場において現場の海況から操業中の船体運動を定量的に予測し安全性の検討,あるいは操業遂行の可否を決定する資料としてのスペクトラム予測の実験式について検討した。操業中の船体運動スペクトラムは海況,波と船との出合い周期および相対針路により種々異なっている。そこで波スペクトラムの場合と同手法で船体運動スペクトラムを無次元化する事により,無次元化スペクトラムがほぼ等しい形となりその分布型はほぼガウス分布となる事からガウス近似による実験式を導いた。実験式は船体応答振幅極値の有義値と平均周期の二つのパラメータにより決定される。さらに,パラメータH_s(船体運動の有義値)は波高の有義値から,ω_1(平均周期)はPitch.とHeaveについては波との出合い平均周期から,Roll.については船の固有周期から推定できる。得られた実験式は次の通りである。Roll:S(ω)/(<H_s>^2/ω_1)=0.08301exp{-21.32584(ω_0-0.98550)^2}Pitch:S(ω)/(<H_s>^2/ω_1)=0.06336exp{-11.83755(ω_0-0.97612)^2}Heave:S(ω)/(<H_s>^2/ω_1)=0.06467exp{-11.67791(ω_0-0.97557)^2}予測実験式により推定した誤差は20%以内でありクロススペクトラム解析における応答関数の平均値まわりの変動より5%程度少なかった。また船体運動の標準偏差の誤差は5%以内であった。
社団法人日本航海学会の論文
1977-08-20

実船試験による漁船の耐航性について-VI : 船体運動スペクトルの予測

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