林業・林産バイオマスのエネルギー利用の可能性について : 岩手県遠野市を事例として
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概要
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岩手県遠野市を対象に,燃料のエネルギーコストに基づいて「林業・林産バイオマス(以下バイオマス)」のエネルギー利用について検討した。バイオマスは,含水率が高く,形態ごとに発生量が異なるので,未利用バイオマス予測表と既存の統計等を用いて含水率を考慮した発生量を求めた。その結果,遠野市のバイオマス発生量は年間58,000tと推定された。「林業」と「林産」の比が3:1なので,量的確保には林業バイオマスの収集システム整備が重要である。エネルギーコストは,それぞれ単位重量あたりの加工・輸送コストを熱量で割ることによって推定した。その結果,「林業」よりも「林産」の利用可能性が高いことが明らかとなった。また,バイオマス供給曲線を導出し,需要が限られる場合には,ある程度広域収集を行った方が安い燃料を収集できる可能性が高いことを示した。なお,遠野市における現実的な供給可能量は6,500t/年であり,小〜中規模のエネルギープラントが妥当と判断された。
- 日本森林学会の論文
- 2004-05-16
著者
-
西園 朋広
独立行政法人森林総合研究所東北支所
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西園 朋広
森林総合研究所東北支所
-
久保山 裕史
森林総研
-
久保山 裕史
(独)森林総合研究所
-
西園 朋広
(独)森林総合研究所東北支所
-
家原 敏郎
(独)森林総合研究所
-
奥田 裕規
(独)森林総合研究所
-
家原 敏郎
森林総合研
-
家原 敏郎
独立行政法人森林総合研究所
-
久保山 裕史
森林総合研究所林業経営・政策研究領域
-
奧田 裕規
森林総研東北支所
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