ヒノキ長伐期施業の収益性と経営的評価
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概要
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近年, 森林施業の長伐期化が進行しているが, ヒノキ長伐期施業の収益性について検討した。過去の施業履歴が明らかである高野山国有林のヒノキ98年生林分において, 植林から伐採に至る1伐期間の育林費, 間伐木の材積, 伐出・輸送費, 素材の収穫量および売り払い金額を調査した。林分が高齢であったことおよび長尺材採材によって, 平均素材単価は160,410円/m^3,総売却額は約8,384万円/haとなった。過去の育林費用および間伐収益の現在価格を, 物価指数ないし賃金指数の上昇率によって推定した。間伐収益を考慮しない場合, 物価・賃金の上昇を考慮しない名目の値では内部収益率は16.61%, 森林純収穫は814,701円/ha・年となったが, 費用を賃金指数で現在価に換算した実質値では内部収益率は4.41%, 森林純収穫は798,764円/ha・年となった。伐期が80年以下のモデル林分の採算性と比較した結果, 本林分のような長伐期施業がやや有利であると考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 1993-01-01
著者
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