白神山地における森林ガイド活動主体の形成 : 秋田県八森町を事例に
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概要
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秋田県八森町は,白神山地周辺市町村の中では早くから,エコツーリズムへの取り組みの一環として地域住民主体の組織的なガイド活動に取り組んできた。本論文では,その展開の経緯を整理すると共に,特にガイド活動を行う主体の確保においてどのような課題を抱えているのかについて明らかにした。同町では,以前から自然愛好家などにより個人的なガイド活動は行われていたが,「ぶなっこ自然環境指導員」制度が作られたことにより,こうした個々の活動が組織化された。この他,検討会・講習会・先進地視察の実施,イベントの実施,支援組織の活動などが行われ,ガイド活動推進側における受け入れ態勢が向上した。また町民の側でも白神山地来訪者やマスコミなどの「外部の眼差し」に接することで,地元の自然を再評価し,ガイド活動に興味・関心を持ったり,退職などにより時間の制約が解消されたりしたことで新規参入するものが徐々に増え始めている。現在,ガイド確保の課題は,登録者の増員という量的な充実と,頻繁にガイド活動を行う実働ガイドの増員や高いガイド能力を有する熟練層ガイドの増員という質的な充実とに分けられ,ガイドの増加に伴い後者の重要性が増している。
- 東北森林科学会の論文
- 2004-09-30
著者
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