間伐強度の異なるヒノキ人工林における35年間の炭素固定量の比較
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概要
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無間伐,弱度間伐,中度間伐の比較試験が行われてきた,現在56〜112年生のヒノキ固定試験地5か所,合計20試験区の経年成長データを用いて炭素固定量を推定した。試験開始後に増加した炭素の現存量だけで比較した場合,無間伐区の炭素固定量が最も大きく,次いで弱度間伐区,中度間伐区,強度間伐区の順になっており,間伐の反復によって試験区間の差は拡大していた。このことは,現存量に間伐後の林地残材や枯死木を加算しても,また間伐木が搬出されずに林内に残置されるという仮定においても同様であった。一方,試験開始後に増加した現存量に間伐木を加算した炭素の総純成長量で評価した場合,地位差や風害等による影響を考慮して比較すると,無間伐区や強度間伐区よりも,弱度間伐区や中度間伐区の炭素固定量のほうがやや大きくなっていた。このことは,相対幹距が小さいほど期間の粗成長量が大きいが,相対幹距がある閾値を下回ると枯死量が急激に増加すること,また一方,相対幹距が大きいほど枯死量が少ないが粗成長量も小さくなることによって説明できる。
- 森林計画学会の論文
- 2012-08-31
著者
-
西園 朋広
独立行政法人森林総合研究所東北支所
-
高橋 與明
独立行政法人森林総合研究所
-
家原 敏郎
独立行政法人森林総合研究所
-
細田 和男
独立行政法人森林総合研究所森林管理研究領域
-
光田 靖
独立行政法人森林総合研究所
-
光田 靖
独立行政法人森林総合研究所四国支所:(現)宮崎大学農学部
-
佐野 真琴
森林総合研究所森林管理研究領域
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