ヒノキ無間伐林分と間伐実行林分における素材収穫量と収益性の比較
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概要
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地位および初期の保育が同一であるヒノキ無間伐林分と弱度間伐実行林分において,収穫される素材材積と素材価額および収益性の差異を検討した。新重山ヒノキ試験地の直径・樹高の頻度分布の測定資料から,採材方法を考慮して材種別に素材材積・価額を推定した。過去の育林費用の現在価を賃金指数の上昇率によって推定し,主間伐の経費を変化させて,投資採算性指標の変化を求めた。収穫される素材材積・価額は,主伐時に限定すると,無間伐区が間伐区よりかなり大きかったが,間伐木を累計すると間伐区が無間伐区より大きかった。間伐収益を含めると,内部収益率,森林純収穫とも間伐区が無間伐区より大きく,間伐を実施した方が経営上は有利であるといえた。間伐収益が得られない場合には,逆に無間伐施業が有利となった。伐期40年程度では,主伐経費の節減が内部収益率を引き上げる効果が大きかったが,伐期が長くなるほど間伐経費節減の効果が大きく,地形条件や搬出条件がよい林分では,間伐を行ったほうがよいと考えられた。
- 森林計画学会の論文
- 1993-12-00
著者
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