Erwinia属軟腐病菌のペクチンリアーゼ誘導物質として考えられるDNA損傷物質の植物体内における存在
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概要
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Erwinia属軟腐病菌 (E. carotovora subsp. carotovora および E. chrysanthemi) を大根およびジャガイモに接種し, その腐敗組織内のペクチン質分解酵素活性を調べると, ペクチンリアーゼ活性がペクチン酸リアーゼ活性と同程度になるまで近づく場合があった。E. chrysanthemi (EC183) を大根熱水抽出液培地に培養すると, 両酵素の比活性が経時的に上昇した。さらに12種の植物抽出液について調べた結果, 全ての植物抽出液で同様な結果を得た。これらの結果から, 多くの植物抽出液中にはペクチン質 (ペクチン酸リアーゼの誘導物質を供給する) の他, ペクチンリアーゼの誘導物質であるDNA損傷物質が存在することが示唆された。そこで, これら12種の植物抽出液についてDNA損傷物質の存在をrecアッセイで調べた結果, 10種の植物抽出液にその存在を確認した。以上の結果から, Erwinia属軟腐病菌のペクチンリアーゼは植物体組織に存在するDNA損傷物質によって誘導される可能性が考えられ, 宿主植物の感染部位におけるその制御と病徴発現に果たす役割について考察した。
- 日本植物病理学会の論文
- 1985-07-25
著者
-
瀧川 雄一
静岡大学農学部
-
後藤 正夫
静岡大学農学部
-
露無 慎二
静岡大学農学部
-
後藤 正夫
静岡大学農学部植物病理学研究室
-
舟久保 太一
山梨県総合農業技術センター
-
舟久保 太一
山梨農技セ
-
後藤 正夫
前静岡大学農学部農学科
-
舟久保 太一
静岡大学農学部
-
堀 要
静岡大学農学部
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