内部黒変症を示すワサビ根茎および中心柱黒変を示す根から分離した軟腐病細菌の分類学的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ワサビの罹病根茎および根から分離した Erwinia 属軟腐病菌68菌株および Pseudomonas 属軟腐病菌78菌株を用いて分類学的研究を行った。Erwinia 属軟腐病菌は細菌学的性質から4群に分けられた。第1群菌株は E. rhapontici と同定されたが, 何れの菌株も紅色色素を生産しない点で一般の E. rhapontici と異なった。第4菌群は E. carotovora subsp. carotovora と一致した。第3菌群はトレハロース利用性など2, 3の性質で第4菌群と異なったが, その他の性質では完全に一致し, subsp. carotovora と同定した。第2群菌株はラクトースからの酸生成の遅延, β-ガラクトシダーセの欠落, メリビオースおよびラフィノースの非利用性, KCNブロス, 5% NaClブロスおよび36Cにおける非増殖性などの諸性質で subsp. carotovora と異なり, 新しい分類群に所属するもとの考えられた。Pseudomonas 属軟腐病菌は細菌学的性質によって5群に分けられた。このうち第1, 2および5群は相互にレバン生成, タバコ過敏反応などで異なったが, その他の性質で高い類似性を示し, それらの比較から P. marginalis と同定した。第4菌群は若干の性質の相違はみられたが, LOPAT試験を含むその他の細菌学的性状の高い類似性から P. viridiflava と同定した。第3菌群はLOPAT試験では P. viridiflava の反応に一致したが, その他の生理・生化学的性状で大きく異なり, これまでに記載されたいかなる Pseudomonas 属軟腐病菌とも一致しなかった。この群の分類学的所属については今後の研究によって明らかにしたい。
- 日本植物病理学会の論文
- 1986-01-25
著者
関連論文
- わが国におけるキウイフルーツかいよう病の発生
- ストレリチアから分離された青枯病菌の非病原性株によるトマト青枯病の生物防除について
- ホウレンソウ斑点細菌病の病原細菌Pseudomonas syringae pv. spinaciae pv. nov.
- (62) ホウレンソウの斑点細菌病 (新称) について : 2. 病原細菌 (関西部会講演要旨)
- (61) ホウレンソウの斑点細菌病 (新称) について : 1. 病徴及び発生状況 (関西部会講演要旨)
- (59) 近畿・中国地域の一部に発生したイネ苗立枯細菌病について (関西部会講演要旨)
- Pseudomonas syringae pv. actinidiae のストレプトマイシン耐性の遺伝子分析
- 担子菌類の生化学的性質による分類の試み
- 日本で分離された, スズメノカタビラに萎凋症状を示す Xanthomonas campestris pv. poae
- 凍霜害の被害を受けた野菜葉から分離した氷核活性細菌の同定
- チャ, 野菜およびモクレンから分離した氷核活性細菌の分類学的研究
- (161) 人工条件下での氷核活性細菌による各種野菜の凍害 (昭和62年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- チャ芽の霜害に及ぼす氷核活性細菌の役割
- Burkholderia andropogonisによるAmaranthus cruentusの斑点細菌病(新称)
- Pseudomonas fluorescens PfG32の浸根処理によるトマト青枯病の発病抑制 : 抗菌物質およびシデロフォアの役割
- Pseudomonas syringae pv. cunninghamiae pv. nov. によるコウヨウザン (Cunninghamia lanceolate Hook) の葉枯細菌病について
- 1983年, チャに発生した細菌病の病原細菌の同定
- チャ赤焼病の病徴の変異
- Pseudomonas maltophiliaとの共存培養におけるダイズ粒状カルスの誘導形式
- Erwinia属軟腐病菌のペクチンリアーゼ誘導物質として考えられるDNA損傷物質の植物体内における存在
- In vivoおよびin vitroにおけるXanthomonas citriとErwinia herbicolaの相互作用について
- Erwinia carotovora(Jones)Hollandの生産する2種の液化型ペクチナーゼについて : II. Endo-polymethylgalacturonaseとendo-polygalacturonaseの性質の比較
- Erwinia carotovora (Jones) Holland の生産する2種の液化型ペクチナーゼについて I. 生産条件
- Erwinia carotovora (Jones) Holland の pectin-methyl-esterase の性質, 特に2, 3 の植物性酵素との比較
- Erwinia carotovora (Jones) Holland の pectin-methyl-esterase, 特に生産条件と系統別酵素活性について
- 植物病原細菌のセルラーゼに関する研究 : 第2報 Cx-セルラーゼの活性とpH, 温度及び塩類溶液との関係
- 植物病原細菌の銅耐性
- ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体を利用したイネ白葉枯病菌の血清学的研究
- チャ芽の氷核活性細菌の選択培地
- 植物病原細菌および糸状菌に対するカテキンの抗菌活性
- イチゴ青枯病に関する研究 : 2. イチゴ組織に見出された抗細菌物質β-D-glucogallinについて
- (3) ライグラス類冠さび病菌レースについて (昭和60年度地域部会講演要旨(関西部会))
- (2) 刈取りによるライグラス類冠さび病の防除 (関西部会講演要旨)
- 播種期とライグラス類冠さび病の発生との関係
- (28) 数草種に発生する冠さび病菌の寄主範囲について (関西部会講演要旨)
- ライグラス類冠さび病菌夏胞子の噴霧接種法
- ライグラス類冠さび病が収量及び牛の嗜好性に及ぼす影響
- (6) ライグラス類冠さび病の被害に関する研究(2) : 採食性について (昭和52年度地域部会講演要旨(関西部会))
- ライグラス類冠さび病菌夏胞子の散粉接種法
- (23) ライグラス類冠さび病の被害に関する研究 : (1) 量的被害について (昭和51年度地域部会講演要旨(関西部会))
- (12) ライグラス類冠さび病の発生生態に関する研究 (6) : 冬胞子堆の形成条件について (昭和51年度地域部会講演要旨(関西部会))
- 山口県におけるライグラス類冠さび病の発生消長について
- (5) ライグラス類冠さび病に対するライグラス類品種の抵抗性に関する研究 : (5)ほ場検定方法における問題点 (昭和50年度地域部会講演要旨(関西部会))
- (4) ライグラス類冠さび病の発生生態に関する研究 : (4)肥料要素および播種期の早晩と発病 (昭和50年度地域部会講演要旨(関西部会))
- (3) フェスク類冠さび病菌の寄生性について (昭和50年度地域部会講演要旨(関西部会))
- (29) ライグラス類冠さび病に対するライグラス類品種の抵抗性に関する研究(5) : 噴霧接種のキャリャーについて (昭和50年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (28) ライグラス類冠さび病の発生生態に関する研究(4) : 夏胞子の寄主体侵入発病におよぼす温度・光の影響 (昭和50年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (27) ライグラス類冠さび病の発生生態に関する研究(3) : 夏胞子の飛散について (昭和50年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (11) 山口県において発生したライグラス類冠さび病菌の寄主範囲 (関西部会講演要旨)
- 非病原性青枯病菌の接種によるトマトのトマチン生産による病害抵抗性の発現
- Xantomonas campestris pv. raphaniによるアブラナ科野菜斑点細菌病
- イネ苗腐敗病 (Pseudomonas glumae) および発芽種子上の細菌相互作用に対するベノミルの効果
- Xanthomonas campestris pv.malloti pv.nov.によるアカメガシワ褐点細菌病(新称)
- Pseudomonas solanacearumの生産するバクテリオシンの性質について
- Pseudomonas marginalis (Brown) Stevens の一系統によるキュウリ縁枯細菌病(新称)について
- (119) ワサビ輪腐病の防除について (昭和60年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (7) いもち病菌によるイタリアンライグラス苗立枯症について (昭和60年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (18) Corynebacterium sp. によるワサビの輪腐病 (新称) について (関西部会講演要旨)
- Corynebacterium sp.によるワサビ輪腐病(新称)
- イタリアンライグラス品種のかさ枯病に対する抵抗性差異
- (3) イタリアンライグラス品種に対する数種いもち病菌の病原性差異 (関西部会講演要旨)
- (18) かさ枯病に対するイタリアンライグラス品種の抵抗性について (関西部会講演要旨)
- (17) さび菌の重複寄生菌Darluca filumの寄生消長と寄生範囲 (関西部会講演要旨)
- (19) 山口県の夏ダイコンの亀裂褐変症について (昭和53年度地域部会講演要旨(関西部会))
- (5) 宮崎県で発生したイタリアンライグラスのいもち病 : 寄主範囲及び品種間差異 (昭和53年度地域部会講演要旨(関西部会))
- Xanthomonas campestris pv. phormiicola によるコロナチン産生
- キウイフルーツかいよう病を起こすPseudomonas syringae pv. actinidiae pv. nov.
- Pseudomonas solanacearum (Smith) Smithによるイチゴ青枯病の研究 第1報 : 病菌の系統とイチゴの耐病性について
- カンキツ葉細胞間汁液中のアミノ酸によるXanthomonas campestris pv. citriの増殖抑制とその解除
- Xanthomonas citriに感染したカンキツ葉組織からの電解質およびアミノ酸の漏出
- アカメモチ斑点細菌病菌 Pseudomonas syringae pv. photiniae pv. nov. について
- カンキツかいよう病菌 Xanthomonas citri (Hasse) Dowsonの腐生的生存に関する研究 : 第II報 雑草, ワラおよび土壌中における腐生的生存期間および生存密度について
- カンキツかいよう病菌 Xanthomonas citri(Hasse)Dowsonの腐生的生存に関する研究 : 第1報 シバからのかいよう病菌の検出
- 山口県における牧草・飼料作物病害の発生実態調査
- (4) Cory-nebacterium sp.によるワサビの新病害について (昭和51年度地域部会講演要旨(関西部会))
- Erwinia milletiae および Erwinia herbicola の比較研究
- Pseudomonas syringae pv. acerisによるトウカエデ斑点細菌病(新称)について
- 日本産カンキツかいよう病菌とアルゼンチン産Cancrosis B病菌の比較について
- シイタケ系統のグルタミン酸代謝酵素活性と菌体内遊離アミノ酸含量について
- (25) 内部黒変症を示すワサビ根茎および中心柱黒変を示す根から分離した軟腐病細菌の分類学的研究 (昭和60年度地域部会講演要旨(関西部会))
- (24) ワサビの内部黒変症の原因について (昭和60年度地域部会講演要旨(関西部会))
- 内部黒変症を示すワサビ根茎および中心柱黒変を示す根から分離した軟腐病細菌の分類学的研究
- ワサビの内部黒変症の原因について
- 日本稲及び外国稲品種の紋枯病に対する抵抗性
- Pseudomonas solanacearum によるストレリチャの青枯病について
- ヤブカラシ斑点細菌病菌Pseudomonas cissicolaの修正とneotype strainの指定
- 植物病原細菌のセルラーゼに関する研究 : 第1報 Cx-セルラーゼの生産について
- 軟腐病菌 (Erwinia carotovora) の系統に関する研究 : II. 鞭毛抗原及び菌体抗原の熱による不活性化について
- インゲンの付傷によるこぶ形成と発育段階の関係
- カンキツかいよう病菌Xanthomonas citri (Hasse) Dowsonの腐生的生存に関する研究 : 第III報 腐生的生存菌の感染菌量について
- Xanthomonas PhaseoliおよびX. begoniaeのX. citri テンペレート・ファージによる溶原化, とくに病原性, ファージ感受性および生物学的性質への影響
- Xanthomonas citriのファージ・細菌相互関係, とくに他のXanthomonas属細菌との比較について
- カンキツかいよう病における罹病度と落葉との関係
- 感染初期におけるカンキツかいよう病菌菌体外多糖質の役割
- Xanthomonas translucens f. sp. oryzicola (Fang et al.) Bradburyのファージ・細菌相互関係に関する1研究
- カンキツかいよう病に関する研究 II : 葉肉注射法によるXanthomonas citri(Hasse) Dowsonの検出 特にファージ法との比較について
- 2,4-ジアミノ-6,7-ジイソプロピルプテリジンに対する植物病原細菌の感受性と分類上の意義について
- イネ株腐病菌 Erwinia chrysanthemi の学名について
- Erwinia chrysanthemiの一系統による株腐病に対するイネ品種の抵抗性について
- 植物病原細菌によって形成されたサツマイモ増生組織の性質について