日本産カンキツかいよう病菌とアルゼンチン産Cancrosis B病菌の比較について
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概要
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アルゼンチンでレモン・バレンシアオレンジ等に発生するcancrosis Bの病原細菌は, 傷接種でナツミカン, ウンシュウ, レモンおよびネーブルの葉に小型のかいよう病斑を形成し, 日本産かいよう病菌とくらべ著しく弱い病原性を示す点で特徴があった。またcancrosis B病菌は寒天平面培地上で小型集落を形成し, 全菌株が乳糖および麦芽糖を, また約半数の菌株がマロン酸を利用しない点で日本産かいよう病菌と異なった。さらにこの細菌は新たに分離したファージCp3に対して特異的に感受性を示す一方, Cp1およびCp2のいずれにも抵抗性を示す点でも異なった。日本産かいよう病菌を抗原とした抗血清に対してcancrosis B菌株は僅かに凝集反応を示し, また両者の抗原構造のちがいが寒天ゲル沈降パターンから明らかになった。以上の結果から, アルゼンチン産のcancrosis B病菌は, 病原力および細菌学的性質を異にするXanthomonas campestris pv. citriの一系統であると結論された。
- 日本植物病理学会の論文
- 1980-07-25
著者
-
後藤 正夫
静岡大学農学部
-
後藤 正夫
前静岡大学農学部農学科
-
Messina Miguel
Instituto Nacional De Tecnologia Agropecuaria
-
高橋 敏房
静岡大学農学部
-
高橋 敏房
名大農
-
Messina M.A.
Instituto Nacional de Tecnologia Agropecuaria
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