アカメモチ斑点細菌病菌 Pseudomonas syringae pv. photiniae pv. nov. について
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概要
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生垣や庭木に利用するアカメモチ (Photinia glabra Maxim.) に Pseudomonas 属細菌に原因する斑点細菌病の発生がみられた。本病は葉に赤色または黄色のハローを伴う, 直径約5mmの赤褐色, 円形病斑を形成する。新芽を侵すと芽枯れを起こし, これを黒変枯死せしめる。病原細菌の病原性および細菌学的性質を P. syringae の6種の pathovars (pv. eriobotryae, pv. lachrymans, pv. myricae, pv. phaseolicola, pv. pisi, pv. theae) と比較した。本細菌は Tween 80 分解性, マンノース, メリビオースおよびマロン酸利用性でこれらの細菌と異なった。また一部の性質で pathovars の一部と異なった反応を示したが, これらの性質は pathovars そのものの間でも相違し, 本細菌の識別性状とはなり得なかった。その他の大部分の細菌学的性状については, 供試 pathovars と完全に一致した。一方, アカメモチ, ムラサキハシドイ, ネズミモチ, ビワ, モモ, ナシ, ナツミカン, チャ, ヤマモモ, キュウリ, タバコ, インゲンおよびエンドウに接種試験を行った結果, 本細菌はアカメモチに対してのみ病原性を示した。以上の結果, 本細菌をアカメモチに病原性をもつ P. syringae の新しい pathovar と認め, P. syringae pv. photiniae pv. nov. と命名し, 菌株 A-5 を pathotype strain (PDDCC 7849) に指定した。
- 1983-09-25
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