油脂中のトコフェロールの分解に及ぼす油脂の熱酸化と加水分解促進剤, ならびにそれらの阻害剤の影響について

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油脂の熱酸化および加水分解促進剤、ならびにそれらの抑制剤を添加した油脂について、アルミはくで油脂表面を被覆した場合と無被覆条件下での油脂の酸化とトコフェロール(Toc)の分解におよぼす影響について検討した。1.油の熱酸化促進剤であつステアリン酸鉄やステアリン酸銅は油脂の酸化とTocの分解を著しく促進させたが、その抑制剤であるシリコーンは油脂の酸化とTocの分解をいくらか防止した。2.油脂の加水分解促進剤であるステアリン酸、クエン酸、酸化マグネシウムならびにその抑制剤であるカポック油などは、油脂の酸化とTocの分解にはほとんど関与していなかった。3.アニジシン価、カルボニル価からみた油脂の酸化度は無被覆油に比べ被覆油の方が低く、またTocの分解も少ない。しかし、油脂の酸価は被覆油の方が高い。4.アスコルビルパルミテート(As.P)、TBHQの添加は油脂の酸化とTocの分解を防止した。ことに被覆条件下ではAs.Pの添加効果は大きい。一方、β-カロチンは被覆有無にかかわらず、油脂の酸化とTocの分解を促進した。5.被覆条件下では、ステアリン酸鉄による油脂の酸化とTocの分解は、無被覆条件下よりも小さく、さらにAs.Pを併用することにより油脂の酸化とTocの分解を大きく防止した。
日本調理科学会の論文
1992-11-20

油脂中のトコフェロールの分解に及ぼす油脂の熱酸化と加水分解促進剤, ならびにそれらの阻害剤の影響について

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