泡立ちからみたフライ油の使用限界

概要

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泡立ちから見たフライ油の使用限界の基準値を定めるべく、フライ油の加熱と泡延距離、泡高値および諸特数との関係について検討すると共に泡立ち原因物についての検索を行った。1.加熱初期ではフライ油の泡立ちは低いが、加熱時間が長くなるに従い泡立ちはしだいに激しくなった。さきに泡廷距離32mmをフライ油の使用限界の基準値として用いてきた。泡延距離32mmは泡高値21mmに相当し、カルボニル価、アニシジン価は40および290であった。2.フライ油の泡高測定は泡延距離測定に比べて経験を必要としないうえに簡便な方法であった。3.フライ油の使用限界の基準値として西ドイツでは酸化酸(石油エーテル不溶酸化脂肪酸)量が0.7%と定めている。酸化酸0.7%時のフライ油の泡高値は12.7mmであった。酸化酸0.7%量を含むフライ油で調整したフライ食品は官能的にも十分賞味することができた。4.フライ油の泡立ちに酸化酸が関与し、酸化酸量が1.5%以上になると持続性の泡立ちが著しくなった。
日本調理科学会の論文
1988-11-20