揚げ油脂の種類と泡立ちについて

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大豆、とうもろこし、オリーブおよびやしなどの油脂を180℃で加熱した。経時的に油脂の泡立ち(泡高)、カルボニル価、アニシジン価、酸化銀およびトコフェロール量などを求めた。1.オリーブ油、やし油は大豆油に比べて加熱5時間後泡立ちが激しくなり、油脂中のトコフェロール量は急減した。泡高値21mmに達するまでの加熱時間は、大豆油で35時間、とうもろこし油、オリーブ油、やし油でそれぞれ37.0、8.0および5.2時間であった。2.各油脂の泡高値21mmの時のカルボニル価は37±3で、泡高値とCOVとの間には大きな差はなかった。しかし、アニシジン価は大豆油、とうもろこし油で290、285だったが、オリーブ油、やし油では70および25で、前者の油脂に比べ低値であった。3.泡立ちの激しいオリーブ油、やし油では酸化酸の生成割合も大豆油、とうもろこし油に比べて著しく多い。泡立ちに酸化酸が関係しているが、大豆油の泡高値21mmの使用限界値が油脂一般に適用できるかについては、今後動物実験で確認したい。4.官能的に味やにおいが劣化したときの大豆フライ油の泡高値は21mmより少し低い19mm付近であった5.500ml容ガラスビーカー使用による油脂量と泡高値との関係は、大豆油脂量が200ml以下になると泡高値はわずかではあるが高くなる傾向にあった。6.学校食堂および家庭のそれぞれ3箇所で使用したフライ油の破棄時の泡高値は21mmを越すものはなかった。
日本調理科学会の論文
1990-02-20

揚げ油脂の種類と泡立ちについて

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