温州ミカンの加熱臭に関する研究 (IV)
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概要
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温州ミカン果汁の加熱臭成分であるジメチルスルフィド(DMS)とその前駆物質であるS-メチルメチオニンスルホニウム(MMS)の定量法を中心に以下の研究を行った. (1)炎光光度検出器を用いたガスクロマトグラフィー(FPD-GC法)により,果汁中のDMSの簡易迅速な定量法の設定を行った. (2) MMS→DMSの反応を試料注入口(200°C)で定量的に行わせることにより, FPD-GC法によるMMSの簡易迅速な定量法の設定を行った.検量線は対数プロットにより得られ, 4.0〜100μMで良好な直線となった.カンキツ果汁の場合.搾汁液2.0μlを直接本法に供することができる. (3)本報で設定したMMS定量法により, 23種のカンキツ果汁中のMMS含量を求めたところ, 5μM以下が6種, 5〜10μMが7種, 10〜15μMが7種, 15〜20μMが1種, 20μM以上が2種であった.マンダリン系の品種では,相対的にMMS含量が高く(温州ミカン果汁, 21μM),加工適性が劣ることが示唆された. (4)本法で設定したDMSおよびMMSの定量法により,温州ミカン果汁の加熱中におけるMMSの減少量とDMSの生成量を経時的に追跡したところ,両者は化学量論的に一致することを示した.
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