そ菜の生育に対するカリ施肥の効果と土壌の置換性カリ含量との関係

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火山灰土壌での, そ菜の生育に対するカリ施肥の効果と作付け前の土壌の置換性カリ含量との関係を明らかにするため, 適当量の硫酸カリを加えて, 置換性カリ含量を変えた3つの土壌を用いて, 1/2,000aワグナーポットで, 7種類のそ菜のカリ施肥試験をおこなつた.1) 置換性カリ含量94ppmの土壌では, カリを施肥しないで育てたホウレンソウ, レタス, カブ, キュウリは, カリを与えたものに比べると, 発芽直後から小さかつた. 一方, ハツカダイコン, ニンジン, インゲンでは, 発芽直後には, カリ施肥区と無カリ区の植物体の大きさに, はつきりした差がみられなかつた. しかし, これらのそ菜でも, 生育中期になると, 両区の植物体の大きさに差がでてきた. この土壌では, カリを施肥すると, これら7種類のそ菜の収量は, いずれも, 著しく増加した.2) 置換性カリ含量255ppmの土壌では, カリを施肥すると, ホウレンソウとキュウリの収量はかなり増加し, また, わずかではあるが, レタスとニンジンの収量も増加した.3) 置換性カリ含量472ppmの土壌では, ホウレンソウを除いて, 収量に対するカリ施肥の効果が認められなかつた.4) これまで, 作物の種類に関係なく, 置換性カリ含量が150ないし200ppmをこえる土壌では, カリ施肥の効果がほとんど認められないといわれてきた. しかし, 以上の結果から, 火山灰土壌でのそ菜栽培を考える場合には, この数値をいくらか高く修正したほうがよいと思われた.5) そ菜の種類によつて, カリ施肥の効果が認められなくなる置換性カリ含量に差のあることが推定された.
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