カルシウム濃度ならびに窒素形態がカンキツの生育, 無機成分に及ぼす影響
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概要
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ナツダイダイを水耕し, カルシウム濃度 (Ca 0, 2, 8,20, 80ppm) ならびに窒素形態 (NaNO3, NH4NO3, Nとしてともに112ppm) がカルシウム欠乏症状, 生育, 無機成分含量に及ぼす影響を調べた。NaNO3, NH4NO3両区ともCaO, 2ppmのようなカルシウム欠乏区では生育が劣り, 上葉は葉縁より鈍黄緑色になり, 最後には中肋付近に逆V字型に緑色を残すのみになる。その外側の葉脈間には多くの小さい淡褐色の斑点を生じた。欠乏の程度が著しいとそれらの葉は落ち, 茎の先端付近は枯れ込みの様相を呈した。根も褐変, 腐敗し, 皮層が脱落した。NH4NO3区では欠乏症状がより著しく, またCa 8ppm区にも症状が現われた。NaNO3区ではCa 8ppmで生育が最大となつたがNH4NO3区ではCa 20ppmで最大となり, NH4NO3区のほうがより高濃度のCaを必要とする。しかし各CaレベルともNaNO3区の生育のほうが大であつた。施用Ca濃度を増すとNaNO3区の葉ではN, P, Ca含量 (乾物あたり%) が増加し, K, Mg含量は減少した。NH4NO3区ではCa含量のみが増加し, K, Mg含量は減少し, N含量もCa 2ppm以上では減少した。P含量には一定の傾向がなかつた。根では両形態とも施用Ca濃度が増すとP, K, Ca含量が増加し, Mg含量のみ減少した。N含量はNaNO3区ではCa 8ppm, NH4NO3区ではCa 2ppmまで増加し, それ以上では減少した。葉部, 根部とも一般にNaNO3区よりもNH4NO3区のほうNが含量は高いが, K, Ca, Mgなどの陽イオン含量は低かつた。
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