窒素形態の差異とそ菜の生育 (第6報) : 体内窒素成分ならびに炭水化物濃度に及ぼす施用窒素形態の影響
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概要
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カンラン•コカブを水•砂耕し, 施用窒素形態を変え, 生育, 体内窒素成分•炭水化物•無機成分濃度ならびに葉のpHに及ぼす影響を調べた。生育量は一般にNO3区とNO3+NH4区がもつともすぐれ, NH4区がもつとも劣り, 尿素区は中間であつた。カンランのNO3区ではpH4とpH7の間には生育量の差がみられなかつたが, NO3+NH4, NH4両区ではpH7のほうは生育量が大であつた。体内全窒素, 不溶性窒素ならびに可溶性有機態窒素濃度はNH4, NO3+NH4区において高い傾向があつた。しかしながら施用窒素濃度が低いとかならずしもその傾向は認められなかつた。硝酸態窒素はNO3区に多く蓄積し, アンモニア態窒素はNH4, NO3+NH4区に多く蓄積したが, 硝酸態窒素にくらべると著しく少なかつた。尿素区では全窒素, 不溶性窒素とも低濃度の場合が多かつた。カンラン葉では全窒素, 不溶性窒素, 硝酸態窒素濃度とも施用窒素形態にかかわらずpH7のほうがpH4よりも高かつた。可溶性有機態窒素濃度はpH4ではNO3区のほうが高く, pH7ではNH4, NO3+NH4区のほうが高かつた。アンモニア態窒素濃度はNH4, NO3+NH4両区ともpH7のほうが幾分高かつた。葉中還元糖, 全糖濃度は尿素, NH4, NO3+NH4区のほうがNO3区よりも高かつた。非還元糖, でん粉濃度は窒素形態による一定の傾向が認められなかつた。カンランのNO3, NO3+NH4両区ではpH4とpH7との間に炭水化物濃度の差がみられなかつたが, NH4区ではpH4のほうがpH7よりも還元糖, 全糖濃度が高かつた。カンラン葉中のK, Ca, Mg, Naなどの陽イオン濃度はNO3区がもつとも高く, NH4区がもつとも低く, NO3+NH4, 尿素区がその中間であつた。葉のpHも同様の傾向を示した。りん酸濃度には窒素形態による差がみられなかつた。
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