窒素形態の差異と蔬菜の生育
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概要
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1. トマト, インゲン, カブ, ホウレンソウ, タマナタマネギ等を砂耕し, 全窒素濃度を一定(10m.e.)にし, その中でNO3-NとNH4-Nの比率をNaNo3, NH4NO3,(NH4)2SO4の組合わせにより10:0, 9:1, 7:3, 5:5, 3:7, 1:9, 0:10と変え, 上述蔬菜の生育, 収量並びに葉中無機成分含量に及ぼす影響を調べた。2. その結果, 一般蔬菜はNO3-Nを与えた方が生育, 収量共に大でNH4-Nでは劣るがNH4-Nでもその半分がNO3-Nで代替されれば (5:5), 全部がNO3-Nの区 (10:0) に充分匹敵し, タマナでは9:1区の方が10:0区を凌〓した。又5:5区ではNH4NO3(A)でもNaNO3+(NH4)2SO4(B)でも差はなかつた。3. NH4-Nの害作用は夏, 秋作の方が冬作よりも早く現れ進行も急激である。又NH4-Nの割合多くても早く現れる。一般にNH4-Nが増加すると葉色は濃くなるが多くなりすぎると葉緑素壊れ, 黄緑〜鈍緑になり更に葉焼を起したり枯込んだりする。タマナ, イチゴでは冬期3:7区以下の下葉は赤紫色となり後, 脱落した。又カブ, タマナ, インゲンの如く葉面がゴワゴワし革質になるのもあつた。地下部も害を受け, その為に水分不足を来し葉が巻込んだり萎凋しやすくなる。インゲンではNH4-N多い区は根瘤が殆どなかつた。4. 葉中N, P含量 (%) はタマネギを除き, NH4-Nの割合多い区に多く, Ca, Mgは逆である。KはNa, NH4その他のイオンの拮抗作用が錯雑し, 窒素形態による差が判然としないが5:5以下ではNH4の増加につれ, 減少の傾向にある。
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