ベニタデのアントシアニン生成に及ぼす温度の影響
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概要
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ベニタデ芽生えのアントシアニン生成に対する最適昼•夜温を明らかにするため, 子葉展開日から10〜14日間異なる温度に制御された4台の自然光小型チャンバー内で栽培し, その間のアントシアニン含量の推移を比較した.1. 昼夜温共5, 10, 15, 20°C, 及び20, 25, 30, 35°Cに設定された二つの実験の結果, 個体当たりアントシアニン含量は15〜20°C区が高い傾向がみられたが, 新鮮重当たりアントシアニン濃度は10°C区で高かった.2. 夜温を5, 10, 15°Cあるいは20°C一定とし, 昼温をそれぞれの夜温と等しい温度から5°C幅で3段階上げ, 最高がそれぞれ20, 25, 30°Cあるいは35°Cになるような処理区を設けた. その結果, 夜温を10〜20°C一定とした実験ではアントシアニン含量は, 昼温が夜温と等しいか, それより5°C高い区で最も高い傾向を示した. しかし, 夜温を5°Cとした実験では昼温5°C区が最も低く, 10〜20°C区で高かった. また, アントシアニン濃度も夜温を10〜20°C一定とした実験では昼温が夜温と等しい区で最も高かったが, 夜温を5°Cとした実験では昼温10°C区が最も高く, 昼温5°C区は20°C区と共に最も低かった.3. 昼温を10, 20°Cあるいは30°C一定とし, 夜温をそれぞれの昼温と等しい温度から5〜10°C幅で1〜3段階下げ, 最低夜温がいずれも5°Cになるような処理区を設けた. その結果, 昼温をいずれに保った実験においても, アントシアニン含量, 濃度共に夜温の低い区ほど高く, 5°C区が最も高い傾向にあった.以上の結果から, ベニタデ芽生えのアントシアニン生成に及ぼす温度の影響を昼•夜温に分けて考えた場合, アントシアニン生成には昼温10°C, 夜温5°Cのような低温が最も適していると推定された.
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