ベニタデのアントシアニン含量に及ぼす栽培時期の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
4月から10月まで毎月ベニタデを栽培し, 各月における子葉展開後のアントシアニン含量の推移を調ベ, アントシアニン生成に及ぼす栽培時期の影響を検討した.1. いずれの栽培時期においても, 個体当たり, および新鮮重1mg当たりアントシアニン含量は一般に子葉展開後急速に増加し, その後は緩やかに増加, あるいはほぼ一定の値を推持した. しかし, その変化の程度は栽培時期により異なり, 4月, 特に5月栽培でばアントシアニン含量は常にかなり高く, 次いで6月栽培で高く推移した. 一方, 7〜9月栽培においてはアントシアニン含量は低く推移した. 10月栽培では初期には最も低かったが, 徐々に高まり, 6月栽培の値に近づく傾向を示した.2. 実際栽培での収穫時期に相当する本葉出現日の個体当たり, および新鮮重1mg当たりアントシアニン含量は, 4月および5月栽培で最も高く, 次いで6月および10月栽培であった. 一方, 7〜9月栽培は最も低く, 4〜5月栽培の60%以下であった.3. 少数の例外はあったが, 子葉展開日から8日後までのいずれの生育日数においても, 個体当たり, および新鮮重1mg当たりアントシアニン含最は, それまでの1日当たり日射量の影響を除くと, 日平均気温と負の高い相関を示し, 日平均気温の影響を除くと, 1日当たり日射量と正の高い相関を示した.4. 本葉出現日の個体当たり, および新鮮重1mg当たりアントシアニン含量も, 本葉出現日までの1日当たり日射量および同所要日数の影響を除くと, 日平均気温と負の高い相関関係にあり, 日平均気湿および所要日数の影響を除くと, 1日当たり日射量と正の高い相関関係にあった.5. 部位別のアントシアニン含量の推移を調べたところ, 本葉出現日までの子葉中の含量は常に下胚軸中の含量より高かった.以上の結果から, ベニタデのアントシアニン生成は低温, あるいは多日射の時期ほど促進されることが推定された.
- 園芸学会の論文
著者
関連論文
- III-2 そさい類の栄養生理(III 作物の種類と栄養特性)
- ベニタデのアントシアニン含量に及ぼす単色光の影響
- ベニタデ芽生えのアントシアニン濃度と炭水化物濃度との関係
- ベニタデのアントシアニン含量に及ぼす栽培時期の影響
- ベニタデのアントシアニン生成に及ぼす温度の影響
- ベニタデのアントシアニン含量に及ぼす光の影響
- ハツカダイコンの生育に対するカリ施肥の効果と体内カリ濃度との関係
- ハツカダイコン幼植物の生育に対するカリ施肥の効果と置換性カリ含量との関係に影響を及ぼす要因
- 異なる栽培時期におけるそ菜幼植物の生育に対するカリ施肥の効果と置換性カリ含量との関係
- そ菜の生育に対するカリ施肥の効果と土壌の置換性カリ含量との関係
- サトイモ塊茎の貯蔵中に発生する低温障害の組織形態学的観察
- キュウリ果実の貯蔵中に発生する低温障害の組織形態学的観察
- 果実に及ぼすガス濃度の影響 (第4報) : 夏ミカン果実に及ぼす酸素濃度の影響
- カルシウム濃度ならびに窒素形態がカンキツの生育, 無機成分に及ぼす影響
- 窒素形態の差異と蔬菜の生育
- ベニタデのアントシアニン含量に及ぼす培地中の窒素, リン酸並びにカリの影響
- 果実に及ぼすガス濃度の影響 (第1報) : リンゴ紅玉果実に及ぼす酸素濃度の影響
- 窒素形態の差異とそ菜の生育 (第5報) : 培養液中の各種陰イオンとの関係
- 窒素供給期間の差異がタマネギの生育・収量に及ぼす影響
- ナス果実の貯蔵中に発生する低温障害の組織形態学的観察
- 窒素供給期間の差異がイチゴの生育•収量に及ぼす影響
- 窒素形態の差異とそ菜の生育 (第4報) : 生育段階との関係
- 窒素形態の差異とそ菜の生育 (第6報) : 体内窒素成分ならびに炭水化物濃度に及ぼす施用窒素形態の影響
- 窒素供給期間の差異が数種そ菜の生育•収量に及ぼす影響
- アブラナ科そ菜のホウ素欠乏ならびに過剰
- 窒素供給期間の差異がナスの生育•収量に及ぼす影響
- 窒素形態の差異と蔬菜の生育 (第3報) : 培養液の各種陽イオン濃度ならびにpHとの関係
- pH, カルシウム濃度ならびに窒素形態がカンキツの生育, 無機成分に及ぼす影響
- 洋ナシバートレットの追熟について (第2報) : 冷蔵および追熟中の成熟過程ならびに呼吸量
- 洋ナシバートレットの追熟について(第1報) : 追熟温度と冷蔵処理の影響
- 燐酸,加里の供給期間がハクサイの採種量並びに種子の品質に及ぼす影響
- 白肉桃大久保果実に及ぼす酸素濃度の影響 (果実に及ぼすガス濃度の影響-2,3-)
- 窒素供給期間の差異がバレイショの生育,収量,品質に及ぼす影響