ベニタデのアントシアニン含量に及ぼす光の影響
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概要
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自然光下で寒冷しゃによる遮光処理, および分光透過特性を異にする着色フィルム, 近紫外線カットフィルムによる被覆処理を行い, さらに人工光源による白色光, 近紫外線および有色光の照射処理(1日11〜12時間照射, 5日間)をし, 光量および光質がベニタデのアントシアニン含量に及ぼす影響を検討した.1. 日射量の異なる3つの時期に種々の程度の遮光処理をして透過日射量を変えたところ, 平均積算日射量が約200cal/cm2day まではアントシアニン含量は日射量の増加に伴い増加したが, 約200〜350cal/cm2day の範囲内ではアントシアニン含量の増減は見られなかった. さらにキセノン•ショートアーク•ランプによる白色光を照度を変えて照射したところ, アントシアニン含量は37.3klxまでは増加したが, それ以上の照度ではほぼ一定であった.2. 自然光下で近紫外線をほとんど透過しないフィルムを被覆したり, 室内で蛍光管を用いて白色光に近紫外線を加えて照射したが, アントシアニン含量に対する影響は認められなかった.3. 自然光下で青色, 緑色, 黄色および赤色フィルムを被覆したところ, 赤色〜遠赤色域における透過率の高い黄色ないし赤色フィルム区でアントシアニン含量が高かった. また, 蛍光管による有色光照射(9.3〜10.8×103erg/cm2sec)では, アントシアニン含量は赤色光区で最も高く, 以下黄色光または青色光, 緑色光, 次いで遠赤色光区の順に低下した. さらに, 自然光下で赤色光の補光を3日間昼夜を通して行ったところ, 対照区および白色光補光区よりアントシアニン含量が高まった.以上のように, ベニタデのアントシアニン生成は光量の影響を受け, 近紫外〜遠赤色域の範囲では赤色光により最も促進された.
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