そ菜の生育に対するカリ施肥の効果と葉中カリ濃度及びナトリウム濃度との関係
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概要
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そ菜の生育に対するカリ施肥の効果と葉中カリ濃度及びナトリウム濃度との関係を明らかにするため, 1/2,000aワグナーポットで, 硫酸カリの施用量を0gから8gまでの6段階, 硫酸ナトリウムの施用量を0, 4,40gの3段階に変えて, キャベツとインゲンを土耕した. それとともに, 1/5,000aワグナーポットで, 培養液1l中のカリとナトリウムの合計量を4me一定とし, その比率を5段階に変えて, ハツカダイコン, キャベツ, インゲンを砂耕した.1. キャベツとインゲンの土耕実験において, カリ施用量が不十分なために生育が低下し始める区 (硫酸カリ4g区及び8g区のどちらと比べても地上部重に差が認められる区) は, ナトリウムの施用量に関係なく, 硫酸カリ0.5g区であった.2. インゲンでは, ナトリウムの施用量に関係なく, 最大葉カリ濃度 (およそ50me) によって, カリ施用量が不十分なために生育が低下した区とそうでない区とを区分できた.3. インゲンでは, 最大葉におけるカリ濃度とナトリウム濃度の和は最大葉カリ濃度とほぼ同じ値だったので, カリ施用量が不十分なために生育が低下した区とそうでない区とは, カリ濃度とナトリウム濃度の和 (およそ50me) によっても区分できた.4. キャベツでは, 最大葉カリ濃度によっても, 最大葉におけるカリ濃度とナトリウム濃度の和によっても, カリ施用量が不十分なために生育が低下した区とそうでない区とを区分できなかった.5. インゲンの砂耕実験で, 培養液中のカリ含量が0me及び0.5meの区では, 対照区 (4me区) に比べると, 最大葉カリ濃度もカリ濃度とナトリウム濃度の和もともに低く, 生育も劣った.6. ハツカダイコンとキャベツの砂耕実験で, 培養液中のカリ含量が, それぞれ, 0meと0me及び0.5meの区では, 最大葉におけるカリ濃度とナトリウム濃度の和は高いのに生育が低下した. これらの区の最大葉カリ濃度は, ハツカダイコンで25me以下, キャベツで45me以下であった.7. キャベツの土耕実験で, 最大葉カリ濃度が45me以下となった場合を除けば, カリ施用量が不十分なために生育が低下した区とそうでない区とは, 最大葉におけるカリ濃度とナトリウム濃度の和 (およそ85me) によって区分できる (第3表, 第4表).
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