Ursodeoxycholic acid の胆汁脂質分泌に及ぼす影響
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概要
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ハムスターにおいて cholic acid(CA),とursodeoxycholic acid(UDCA)の胆汁脂質,特にcholesterol(CH)とp hospholipid(PL)の分泌に及ぼす影響を検討した.CA を持続適用すると,胆汁分泌量は増加し,胆汁酸依存胆汁として認められた.CH 分泌は約3倍増加し,PL 分泌量も増加した.胆汁酸組成には CA の増加がみられた.胆汁酸分泌量は用量依存的に増加した.また UDCA を持続適用すると,胆汁分泌量は増加したが,その増加の割合は CA を持続適用した場合より少ないものであった.PL 分泌は有意に増加したが,CH 分泌には適用量依存性が認められなかった.胆汁酸組成では UDCA が約40%を占めており,他の胆汁酸の分泌量は減少していた.一方,CA および UDCA の3,15mg/kg/day の用量を2週間連続適用すると,胆汁分泌量は有意に減少した.CA,UDCA を連続適用しても総胆汁酸の分泌量は増加せず,むしろ減少傾向であった.胆汁酸組成において,CA の連続適用では CA は減少傾向であったが,UDCA の連続適用では UDCA は増加した.また,UDCA の連続適用においては,適用量の違いにより胆汁中への移行の仕方が異なっていた.PL 分泌は,CA および UDCA の連続適用では,適用量によりその分泌動態が異なっていた.しかし,CH 分泌において,CA の連続適用では増加したが,UDCA の連続適用では減少傾向であり,CA と UDCA の CH 分泌には差があることが示唆された.以上のことより,UDCA は CA に比べて胆汁への移行率のよい胆汁酸であり,CH 分泌に及ぼす UDCA と CA の効果の差異はそれらの胆汁への移行率の差が関連しているものと推察される.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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