咳嗽反射に及ぼす末梢気道反応の影響
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概要
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薬物を末梢気道にのみ局所的に作用させ,誘発された咳嗽反射に対する末梢気道緊張状態の影響を全身反応の影響を受けることなく検索する目的で,気管支動脈にカニューレを慢性的に留置した標本犬を作製して検討した.雄性雑犬をpentobarbital麻酔下,無菌的に第5肋間で開胸し,右気管支動脈へカニューレを挿入後,他端を背頸部に露出させ,閉胸した.咳嗽実験は術後10日間以上経過した後,pentobarbital麻酔下に行った.咳嗽の誘発は電極を装着したカフ付気管カニューレを用いて,電気刺激により行った.薬物は気管支動脈内に5分間持続注入した.慢性的カニューレーション標本の気管支筋の反応性を確認した結果,histamineの10μg/min持続注入により気道抵抗の増大が認められ,isoproterenolの3μg/minで減少が認められた.咳嗽実験において,生理食塩液適用では咳嗽反射の頻度および振幅ともに影響は認められなかった。isoproterenolの1および3μg/min適用により,咳嗽反射の振幅では抑制が認められたが,頻度には影響がみられなかった.histamineの3および10μg/min適用では,頻度,振幅ともに増加が認められた.atropineの100μg/min適用では振幅に軽度な抑制がみられた.benzonatateの0.85mg/min適用では,頻度の抑制が認められた.以上のことから,isoproterenolによる咳嗽強度緩和の機序は,咳噺反射時の気管支筋緊張の緩解によるものであり,Salemらの主張するcough receptor刺激のtriggerである収縮の抑制によるものでないことが確認された.また,kistamineにより咳噺強度増大とともに咳嗽頻度の増加が認められたことから,気道収縮は,receptorの反応闘値を低下させることにより,誘発された咳嗽反射に対して二次的に影響を与えることが示唆される.
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