Morphine混入飼料適用による依存形成の時間薬理学的検討
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概要
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morphine混入飼料で飼育した動物を用いて,自然休薬を行う時間あるいはnaloxoneを投与する時間と退薬症候の関係を検討した.morphine混入飼料(1 mg/g food)で65匹のラットを7日間飼育し,1群5匹として使用した.飼育8日目の20時,9日目の2時,8時および14時に1群はmorphine混入飼料を普通飼料に変えて自然休薬を行い,別の1群にはnaloxone 3 mg/kgをそれぞれ皮下投与した.自然休薬を行った群では,14時に休薬した群が休薬後24時間になるまで2時間間隔で各群の体重測定と行動観察を行った,20時の体重を基準にして各群の休薬24時間後の体重減少を比較すると,いずれの群も約10%であり,8時,2時,14時,20時休薬群の順に減少率がわずかに大きくなるが,著明な差はみられなかった.しかし,morphine依存ラットもまた体重の日内変動を示し,明期に減少,暗期に増加を示す.そこで,明期から暗期へ移行する時間帯での休薬が退薬症候としての体重減少を最も明確にとらえられる.一方,morphine混入飼料で飼育したラットにnaloxoneを投与した各群では,行動観察を1時間,体重測定を3時間行った.naloxone誘発退薬症候は暗期が強く,明期が弱い傾向を示し,8時にnaloxoneを投与した群が最も強い退薬症候を示した.また,morphine混入飼料でラットを7日間飼育し,8日目の20時,9日目の2時,8時,14時の各時間に断頭採血し,血漿中morphine濃度を測定した.血漿中morphine濃度は摂餌行動にほぼ対応し,暗期(2時と8時)に高く,明期(20時と14時)に低い値を示した.以上の結果より,自然休薬はどの時間帯に休薬を行っても退薬症候は同程度であるが,体重減少を退薬症候の指標とする場合には,明期から暗期へ移行する時間帯での休薬が適当であることが示唆できる.さらに,naloxone誘発退薬症候の強度はnaloxoneの投与時間によって異なり,血漿中morphine濃度とほぼ対応することが示唆された.
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