実験豚トキソプラズマ症における免疫グロブリンの出現状況について

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実験豚トキソプラズマ(Tp)症の免疫学的研究の一環として7例の実験感染豚を用いて感染の経過に伴い出現する抗体蛋白の推移について,間接螢光抗体法(IFAT),セファデックスG200ゲル濾過法,2-ME処理法により検討した。供試血清は体重10-20kgの仔豚にTp虫体を実験的に接種した後,経日的に採取し,加熱非働化後-20℃に保存したものである。標識抗体は塩析,澱粉ゾーン電気泳動,ゲル濾過,DEAEセルロース等により精製した豚IgM,IgGをウサギの蹠内に接種して抗血清を得,川村の方法に準じて作成した。得られた実験結果について要約すると次のとおりである。1.ヒトのTp症やウサギ・マウスを用いた実験的Tp症と同様に豚においても血中IgGならびにIgM抗体活性の検出法としてIFATは優れた方法であることが判明した。2.豚Tp症における免疫グロブリンの出現状況は,感染の初期においてはIgG抗体が優勢であるが,漸次IgGに置換され,やがて完全に陰転する。3.接種時,既に一定のIgG抗体を保有するものにおいては,再接種によってもIgM抗体は陽転せず終始陰性であった。4.帯広屠場に搬入された豚(1971年8〜12月)のTp抗体保有状況は比較的低率(5%)でとりわけIgM抗体を保有するものは,わずか1%にすぎなかった。
帯広畜産大学の論文
1974-03-20

実験豚トキソプラズマ症における免疫グロブリンの出現状況について

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