帯広近郊における牛乳房炎に関する細菌学的観察

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昭和37年7月上旬帯広,大正,士幌3地区の乳牛各100頭,計300頭につき乳房炎,異常乳の発生状況を調査し,その原因菌,診断法につき検討を行なった。1)乳房炎の罹患率は各地区とも大差なく1%前後であった(第1表)。2)乳房炎の現症を有するものを含み細胞数100万以上でC.M.T.++以上を示すやや高度の異常乳は平均14.3%,さらに細胞数50万以上でC.M.T.±以上のものを含めると平均25.4%にもおよぶ(第2表)。3)前項の高度の異常乳ではその約89%から細菌が検出されたが,ブドウ球菌単独感染が圧倒的に多く,レンサ球菌はその1/10に過ぎない(第4表)。4)純粋多数に検出されたブドウ球菌中Coagulase,Mannitolともに陽性のSta.aureusまた越智のI型と同定されるものの検出頻度は40%で,レンサ球菌ではLancefieldの沈降反応によるB群に該当するものは僅か6例に過ぎない点が強調ざれる(第4,5表)。5)ブドウ球菌I型およびレンサ球菌検出乳汁は他の細菌の検出されたものに比べ細胞増数が激しくC.M.T.,Whitesideとも++以上を呈するものが多い(第6表)。6)C.M.T.++以上を呈するものの80%以上は細胞数50万以上を示し,また細胞数50万以上を呈する乳汁の80%から有意の細菌数が検出されるゆえ,C.M.Tは異常乳の摘発上その利用価値が大きい(第7〜9表)。
帯広畜産大学の論文
1963-12-25

帯広近郊における牛乳房炎に関する細菌学的観察

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