豚腸間膜リンパ節の結核病変から分離された非定型抗酸菌に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
すでに宮下らによって,十勝清水と場の豚の主として腸間膜リンパ節に発生した結核病変の報告がなされている.著者らは,これらの病変部から分離された所謂非定型抗酸菌70株の性状を検討し,以下の成績を得た.1. RUNYONの非定型抗酸菌の分類に常用される各種の生物学的,生化学的試験の成績から,すべての分離株は,MycobacteriumaviumまたはRUNYONのGroupHIM.intracellularのいずれかに所属することが推測された.とくにB6NICKEのアミダーゼ試験は,これらの抗酸菌を分類するさい,有用な試験法と考えられる.2.凝集反応を応用し,血清学的に分類を試みた結果,70株中63株がDavis型,3株がIIIa型,1株が1v型に型別された.また最近,柚木らにより分離され,SCHAEFERにより新型と同定されたものと同型のものも1株認められた.なお残りの2株は,既知抗血清とは反応せず,その所属は現在不明である.以上70株は,いずれもM.intracellularに所属することが明らかとなった.3. SCHAEHERにより報告された凝集反応は,M.aviumとM.intγacellularの鑑別に,最も信頼のおける方法であることを確認した.4.凝集反応で型別されたM.aviumの各血清型と,M.intracellularの若干の血清型から作業されたメタノール・アセトン可溶性分画を補体結合反応の抗原として応用した結果,これら分画中には,特異抗原が存在することを確認した.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1973-12-25
著者
-
清水 亀平次
帯広畜産大学家畜微生物学教室
-
清水 亀平次
帯広畜産大家畜微生物学教室
-
清水 龜平次
北海道大學獸醫學部家畜衞生學教室
-
谷地田 俊介
帯広畜産大学家畜微生物学教室
-
谷地田 俊介
塩野義製薬(株)油日ラボラトリーズ
関連論文
- 北海道在来馬におけるゲタウイルスに対する血清抗体調査
- 最近10年間における馬インフルエンザの抗体調査
- ニユーカッスル病ワクチン接種による血中抗体の消長と感染防御能に関する研究
- 220 ニューカッスル病の免疫に関する2,3の試験について(家禽疾病学分科会)(第72回日本獣医学会記事)
- SPFネコにおけるイヌ・パルボウイルスの実験感染
- SPFネコにおける汎白血球減少症ウイルスの実験的感染(短報)
- 北海道在来馬におけるゲタウイルスと日本脳炎ウイルスに対する血清抗体調査
- トキソプラズマ免疫マウスにおけるインターフェロンの産生と性状
- 日本におけるネコ汎白血球減少症 : I. ウイルスの分離とその性状
- 実験豚トキソプラズマ症における免疫グロブリンの出現状況について
- 34 実験的トキソプラズマ感染豚血清抗体の分析 : 感染の経過に伴う免疫グロブリンの出現状況について (微生物学分科会)(第73回日本獣医学会)
- 日本で発生した牛のヨーネ病について
- ブタにおける香港型(H3N2)インフルエンザウイルス抗体
- 4 豚腸間膜リンパ節の結核様病変から分離された抗酸菌の性状について(微生物学分科会)(第72回日本獣医学会記事)
- 53 十勝地方に発生した牛のヨーネ病(微生物学分科会)(第71回日本獣医学会記事)
- 北海道における動物日本脳炎に関する研究 : III.馬の自然感染例における血清学的観察
- マウスII型インターフ***ンによる培養細胞内トキソプラズマの増殖抑制
- トキソプラズマ感染マウスの細胞性免疫に関する一知見
- トキソプラズマ感染マウスの抗体推移について
- トキソプラズマ感染ならびに死虫ワクチン接種豚における免疫グロブリンの推移
- わが国における牛の乳房皮膚結核について
- 実験的トキソプラズマ症に対する SDDS の治療効果について
- マウス継代によるチスト型弱毒トキソプラズマ株の毒力増強試験
- 牛におけるロタウイルス感染症のウイルス学的ならびに血清学的研究
- イヌ・パルボウイルスとネコ汎白血球減少症ウイルスの理化学的ならびに生物学的性状の比較試験
- ネコ汎白血球減少症ウイルスのネコ腎同調培養細胞における増殖
- マウスのセンダイウイルス同居感染における母子移行抗体の役割〔英文〕
- 免疫ならびに非免疫鶏気管培養法によるニューカッスル病ウイルスの増殖に関する研究
- 馬2型インフルエンザウイルスの東京株とマイアミ株の抗原性の比較
- 57 猫から分離した小型 DNA ウイルスの二三の性状について (微生物学分科会)(第73回日本獣医学会)
- トキソプラズマ症のゲル内沈降反応による診断(畜産学科)
- 組織培養液および培養虫体から得られるToxoplasma gondiiの補体結合抗原について
- Mycobacterium avium-intracellulare complex実験感染豚における抗酸菌の排泄と血清学的応答に関する研究
- 螢光抗体法による豚由来抗酸菌の血清学的型別について
- Sphaerophorus necrophorusの凝集反応用抗原の安定性について
- 札幌に於ける緬羊リステリア症流行例に關する細菌學的研究
- 北海道に於ける有反應無病巣牛に關する細菌學的研究 : II. 昭和 27 年度の檢索成績
- 馬パラチフスの血清診斷に關する研究 : 特に多糖類抗原を以てする沈降反應に就て
- 馬流産菌の死菌免疫に關する研究 : II. マウスに對する死菌免疫に就て
- 北海道に於ける有反應無病巣牛に關する細菌學的研究 : I. 人型結核菌の分離に就て
- 豚のリンパ節ならびに環境からの抗酸菌分離に関する研究
- 北海道における牛の抗酸菌感染に関する研究
- Mycobacterium avium-M. intracellulare Complex の血清学的同定法, 特に螢光抗体法に関する研究
- 豚腸間膜リンパ節の結核病変から分離された非定型抗酸菌に関する研究
- 牛の乳房皮膚結核から分離された抗酸菌について
- 25 豚の主として腸間膜淋巴節結核から分離された非定型抗酸菌の血清学的研究 (微生物学分科会)(第73回日本獣医学会)
- 3 牛の乳房皮膚結核例から検出された抗酸菌について(微生物学分科会)(第72回日本獣医学会記事)
- 1 Tp症の各種血清診断法の比較 : 特に沈降反応を中心として
- TOXOPLASMOSISに関する研究 : IV. 組織培養メジウム中に出現するC.F.抗原物質について
- TOXOPLASMOSIS に関する研究 : III. TOXOPLASMA GONDII の組織培養について
- 29. トクソプラズマ症に関する研究 : II. 野兎から分離された "HT" 株について (第46回日本獣医学会記事)
- 24. 緬羊リステリア症の細菌学的観察(予報)
- 37. ツ反応陽性牛から分離された杭酸菌の性状について
- 36. 北海道に於けるツ反応陽性牛の殺菌的科学観察
- 111. 流行性脳炎の自然感染馬及びワクチン接種馬の補体結合反応 (第30回日本獸医学会記事)
- 23. まうすニ對スル馬流産菌死菌免疫ニ就テ (第29回日本獸醫學會記事)
- 経口投与によるSDDSの豚トキソラズマ症感染防御効果について
- 十勝地方における鶏の呼吸器性マイコプラズマ病の発生について
- 75 十勝地方のおけるCRDの発生について (第59回日本獣医学会記事)
- スイスアルビノ系マウス群におけるCorynebacterium kutscheri感染の発生について
- Clostridium perfringens type A による牛のEnterotoxemia
- インドクジャクにみられたニューカッスル病
- 発育卵順化 Beaudette 株を用いた中和試験による呼吸器症状発見鶏群の伝染性気管支炎発生調査
- 三種のニワトリ呼吸器ウイルスが培養気管に興える影響
- Infectious bursal病血清診断におけるプラック減少中和テスト
- 重層培地が TCND ワクチンウイルスのプラック形成に及ぼす影響について
- ホモロガス抗原を用いた TCND 免疫血清の HI 価増強について
- 帯広近郊における牛乳房炎に関する細菌学的観察
- 北海道東部地区における異常乳の発生状況とその改善に関する研究
- 52 と畜場でみられた豚の腸間膜リンパ節に多発する結核病変に関する病原的観察(予報) (微生物学分科会)(第69回日本獣医学会)
- 馬流産菌各菌株の「まうす」に対する病原性
- 北海道における動物日本脳炎に関する研究 : II.馬ならびにその他の動物についての血清疫学的観察
- 3 北海道における動物の日本脳炎に関する研究 : II. 馬脳炎の血清学的研究 (微生物学分科会)(第69回日本獣医学会)
- 北海道における動物の日本脳炎に関する研究 : I.馬についての疫学的観察
- 北海道における家畜伝染病の血清疫学的研究 : IV.道東北部における家畜のレプトスピラ抗体保有状況
- 最近十勝地方に発生した牛の伝染性下痢症
- トキソプラズマ株の簡易継代法について
- 北海道とくに道東北部における家畜伝染病の血清疫学的研究 : III.野犬のレプトスピラ抗体保有状況
- 85 北海道東部地方乳牛の異常乳罹患状態とその改善に関する研究
- 7 最近十勝地方に発生した鶏の伝染性咽頭気管炎様疾患について
- 北海道とくに道東北部における家畜伝染病の血清疫学的研究 : I.各種家畜のトキソプラズマ抗体保有状況 : II.屠殺豚にみられるHVJ抗体について